RISC-VのIPを開発しているSiFiveが、AMDの最新世代のRadeonが動作するようにパッチをLinuxに当てる作業を初めていることがわかりました。
RISC-VとGPU
AMD GPUのLinux向けドライバは基本的にオープンソースで開発されており、SiFiveがRISC-Vのサポートを追加するパッチを投稿しています。*1
This series allows using newer AMD GPUs (e.g. Navi) on RISC-V boards such as SiFive's HiFive Unmatched. Those GPUs need CONFIG_DRM_AMD_DC_FP to initialize, which requires kernel-mode FPU support.
I'm sending these patches as one series so there is a user along with the infrastructure being added. I assume patch 3 would be merged separately, after patches 1-2 are merged.
[PATCH 0/3] riscv: Add kernel-mode FPU support for amdgpu - Samuel Holland
これまでは、GCN世代Radeon 500番台のRadeon GPUが動作した例がある他、個人がRadeon RX 6700 XTをRISC-Vシステムで動作させた例がありますが、RDNA世代以降で正式にRISC-Vがサポートされた事はありません。
そのため、現時点ではRISC-Vシステム上でRDNA以降のRadeonをデフォルトの状態では初期化することができず、そのままの状態で使用することはできません。しかし、今回のこの変更がマージされた場合、Radeon 5000/6000/7000シリーズがRISC-V上で動作することが可能になることが期待されています。
なお、今回の変更は、HiFive Unmatchedシステムですでにテストされており、実際にRadeon GPUが動作しているようです。
この変更は、Linux 6.8で完了することが期待されています。Linux 6.7はすでにマージウィンドウが閉じているため、次の変更追加はLinux 6.8になります。Linux 6.8は2024年春頃リリースの見込みです。