Intelは、Xe 2アーキテクチャを採用したゲーミングGPU「Intel Arc B」シリーズを発表しました。
Battlemage
Intelの製品名は世代ごとにA→B→Cとアルファベットごとに進んでいきますが、今回は2世代目ということでB。Battlemageとなります。アーキテクチャはLunar Lakeに先行して搭載されてるXe2 GPUです。
Xe2では、レイテンシやストールの削減、最適化、オーバーヘッドの低減などが行われています。コアではSIMD16に対応しています。
Vector Engineは16レーンと32レーンのSIMD命令にネイティブ対応するALUを搭載。 更にINT2・INT4・INT8・FP16・Bfloat 16・Tfloat 32などの低精度フォーマットにも対応します。
XeSSはXeSS 2になり、XeSS Super Resolution(XeSS-SR)、XeSS Frame Generation(XeSS-FG)、Xe Low Latency(XeSS-LL)という3つの技術が中心となっています。XeSRはAIベースのアップスケーリング技術ですが、これにAIベースのフレーム補間であるXeSS-FGと、レンダリングパイプラインのレイテンシを削減するXeSS-LLが組み合わさって、フレームレート向上を図ります。フレームレート向上技術は、超解像度にフレーム補間を組み合わせるのがメジャーになりつつありますね。
これらの機能はゲーム側での対応が必要となりますが、レイテンシの削減についてはゲーム側の対応が不要な「Driver Low Latency Mode」が用意されています。
これらのAI機能を動かす、Xe Matrix Extension(XMX)も強化されており、GeForce RTX 4060並のAI性能を有するとしています。さらに、生成AIの統合ソフトウェアとして「AI PLAYGROUND 2.0」を提供し、画像生成、アップスケーリング、AIチャットなどが行えるとしています。
レイトレーシングについても強化されており、第2世代のレイトレーシングエンジンを搭載しています。
GPUの規模については、引き続き4基のXe-Coreと4基のレイトレーシングエンジンを搭載するレンダラースライスごとに行われ、今回発表された「Arc B570」「Arc B580」に搭載されているBGM-G21の場合は5基のレンダラースライスで構成されています。
GPUはTSMC N5プロセスで製造されます。
発表された構成
発表された製品は「Arc B580」と「Arc B570」の2機種です。ともにミドルレンジグレードとなっています。
B580 | B570 | |
---|---|---|
Xe コア | 20 | 18 |
GPUコア | 2560 | 2304 |
XMXコア | 160 | 144 |
レイトレーシングユニット | 20 | 18 |
ベースクロック | 2670 MHz | 2500 MHz |
ブーストクロック | 2850 MHz | 2750 MHz |
メモリ | 12GB | 10GB |
メモリ帯域 | 456 GB/s | 380 GB/s |
メモリバス幅 | 192-bit | 160-bit |
メモリ速度 | 19 Gbps | 19 Gbps |
B580は14.6 TFLOPSのFP32性能と233 TOPSのINT8性能、B570は12.7 TFLOPSのFP32性能と203 TOPSのINT8性能を有しています。
接続は、PCIe 4.0 x8。
価格は、B580が249ドル、B570が219ドルで、おそらくRTX 4060より安価に提供されることになります。性能面と価格面から見るとかなりコスパがいいGPUであると言えます。