Qualcomm、下り最大12.5Gbpsの5Gモデム「Qualcomm X85」など、新製品を発表

3行まとめ

Qualcommは、MWC(Mobile World Congress)にて第8世代の5Gモデム・アンテナソリューションかつ、第4世代AI搭載5G接続システム「Qualcomm X85 5G Modem-RF System」をはじめとした新製品を発表しました。

Qualcomm X85

Qualcomm X85 5G Modem-RF(出典:Qualcomm

Qualcommはブランドの整理を行っており、これまで5Gモデムは「Snapdragon X85」のようにSnapdragonブランドで提供されていましたが、X85は単に「X85」となっています。

X85は、下り最大12.5 Gbps、上り最大3.7Gbpsと、Snapdragon X80(下り10Gbps/上り3Gbps)よりも高速になっています。

また、機能としてX80に引き続きNPU「Qualcomm 5G AI」プロセッサを搭載しており、AI推論性能が前世代と比較して30%向上しています。

600MHz~41MHzのNR、Sub-6、mmWaveのこれまで対応してきたに全てのバンドに対応し、400 MHz幅の通信にも対応しています。更に、Dual SIM Dual Activeにおいて、速度が倍に向上しています。

Qualcomm X85はスマートフォンのほか、PC、固定無線AP、自動車、XRなどもターゲットとされています。

Qualcomm X82

Qualcomm X82は、廉価グレードのモデムです。

こちらは、詳細な情報が明らかになっていないものの、X95と同様に、マルチギガビットダウンロード・アップロードをサポートしています。

Dragonwing製品

また、同時に「Dragonwing」ブランドの製品も投入しました。

Dragonwingは、Qualcommの新しいブランドで、Snapdragonがコンシューマ・コンピューティング向けの製品になるのに対して、Dragonwingは主に産業・IoT向けのブランドとなります。

Dragonwing FWA Gen 4 Elite Platform

Dragonwing FWA Gen 4 Elite Platform(出典:Qualcomm)

「Dragonwing Fixed Wireless Access Gen 4 Elite Platform」は、X85を搭載した世界初の5G Advanced対応のFWA プラットフォームです。Fixed Wireless Access(FWA/固定無線アクセス)は、2つの固定された機器を無線で通信する通信方式です。

Dragonwing FWA Gen 4では、X85の12.5Gbpsの高速通信に加え、最大40 TOPSのエッジAI NPU、4コアCPU、10Gbイーサネット、Wi-Fi 7などの機能を搭載しています。

E41/E51/E52

Qualcommはこのほか、新たに「Qualcomm E41 4G Modem-RF」「Qualcomm E51 4G Modem-RF」「Qualcomm E52 4G Modem-RF」の3製品を発表しました。

Qualcomm E41は、主にIoTをターゲットにした4Gモデムチップです。業界初のGSMA事前認定iSIMによる統合接続を実現していることが特徴です。これにより、製造時にSIMプロビジョニングサービスを通じてリモートでプログラムを無見込むことができます。

また、E41は、Qualcomm Aware Platformでの使用に特化しているため、メーカーは付加価値のあるクラウドベースのサービスを通じて、企業全体の様々な課題を解決するクラウド接続デバイスを簡単に構築・展開・拡張することができるとのことです。

Qualcomm E51とE52もともにIoTをターゲットとしており、サイズに制約があるデバイス向けに低電力、コンパクトに設計されています。

E51はNB-IoTモデム、E52はE41と同様にCat.1 bisモデムと定義されています。

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