Intel、Intel 18A採用で最大288コアのXeon「Clearwater Forest」を発表

3行まとめ

Intelは、次世代Xeon「Clearwater Forest」を発表しました。

Clearwater Forest

Xeon 6以降、Pコア系のアーキテクチャを採用する「Rapids」系ラインナップと、Eコア系のアーキテクチャを採用する「Forest」系ラインナップに分かれています。Clearwater Forestは、Eコア系のアーキテクチャを採用しています。

Forest系ラインナップは、高密度Xeonとなっています。Eコアは、Pコアと比較して機能が少なく性能も低いですが、フットプリントが小さくコア数を稼ぎやすいです。ですので、主なターゲットとなるのは、クラウド事業者などの性能よりも物理コア数を求められるケースとなります。

Clearwater Forestは、現行の「Sierra Forest」の後継で、Eコアを採用するXeonラインナップとしては第2世代目になり、製品ラインナップとしては「Xeon 6+」となっています。

CPU

では、CPUを見ていきます。CPUには、Panther LakeのEコアと同じ「Darkmont」を採用します。

Sierra Forestは、「Meteor Lake」のEコアの「Crestmont」を採用していましたので、Skymontを飛ばしての採用となりました。

DarkmontはCrestmontと比較して、整数ALUの数が4から8へ2倍になって入り、浮動小数点数ALUが3から4に増加していたり、命令フェッチ・デコードの最適化によって効率化が図られているのなど、全体的に性能が大幅に向上しています。

更に、製造プロセスはIntel 18Aを採用しており、電力効率も向上しています。

一方、AVX2のサポートにとどまっており、AVX-512のサポートはありません。

アクセラレータ類は合計16基搭載しており、暗号化・復号化などの暗号化系のタスクを担う「Intel QuickAssist Technology」、特定のCPUコアにパケット処理が集中することを軽減する「Intel Dynamic Load Balancer」、データ移動処理を担う「Intel Data Streaming Accelerator」、データの圧縮・解凍を担う「In-Memory Analytics Accelerator」の4種のアクセラレータが4基ずつ搭載されています。

最大コア数は288コアです。現時点でラインナップは明らかになっていないものの、「Xeon 6900E」シリーズの一部になるものと考えられます。

Sierra ForestでもXeon 6900Eシリーズとして最大288コアとなっていましたが、こちらは限定的な展開にとどまるようで、本格的に288コアで展開されるのはClearwater Forestからとなります。

Darkmontは、4コアで1クラスタを構成し、クラスタあたり4MBの共有L2キャッシュを搭載し、最大288MBのL2キャッシュを搭載。またLLC(L3キャッシュ)は576MB搭載するようです。

I/O

メモリは8000 MT/sのDDR5を最大12chサポートしています。

その他のインターフェイスでは、最大192レーンのUPI 2.0、最大96レーンのPCIe 5.0、最大64レーンのCXL 2.0をサポートしています。

また、Clearwater Forestは少なくともXeon 6900Pシリーズとピン互換性があります。

タイル構造

今回特に注目すべき点が「タイル構造」の変化です。

これまでXeon系プロセッサは2Dパッケージング技術であるEMIBを採用していましたが、Clearwater Forestでは、3Dパッケージング技術である「Foveros Direct 3D」を採用しています。

Clearwater Forestのタイル構造は、EMIBで接続された3つのActive Base Tileの上に、Foveros Direct 3Dを用いてCPUを搭載するCompute Tileを12基搭載するという形になっています(1 Base Tileあたり3基のCompute Tileを積層。)Active Base TileはIntel 3プロセスで製造されています。

Compute TileはCPUを搭載するタイルで、4基のCPUコアで構成されたクラスタを最大6クラスタ、タイルあたり最大24基のCPUコアを搭載しています。それを12基搭載し288コアを実現しています。

Compute TileはIntel 18Aを用いて製造されています。

各種アクセラレータやインターフェイスを搭載するI/O Tileは、Xeon 6 6900Pシリーズと共通のようで、上記のI/Oとアクセラレータを搭載しています。製造はIntel 7プロセス。

関連リンク