
Appleは、新型MacBook Proの発表に合わせて「M5 Pro」「M5 Max」を発表しました。
M5シリーズ
Apple M5チップ自体は昨年10月に、iPad ProとMacBook Proの発表に合わせて登場済みです。
世代的には、A19やA19 Proと同世代であり、CPU・GPUともに同等と見られています。
CPU
CPUはコアのアーキテクチャが大きく変わりました。。
まず、M5から通して「高性能コア」と呼ばれていたコアは名称を「スーパーコア」と変えました。そして、新たに「高性能コア」というコアが追加されました。

つまり、M5のCPUには「スーパーコア」「高性能コア」「高効率コア」の3種類のIPが存在するということになります。各バリアントのコア構成は次のとおりです。
| スーパーコア | 高性能コア | 高効率コア | GPU | |
|---|---|---|---|---|
| M5 Max | 6 | 12 | 0 | 40 |
| M5 Max | 6 | 12 | 0 | 32 |
| M5 Pro | 6 | 12 | 0 | 20 |
| M5 Pro | 5 | 10 | 0 | 16 |
| M5 | 4 | 0 | 6 | 10 |
| M5 | 3 | 0 | 6 | 10 |
| M5 | 4 | 0 | 6 | 8 |
GPU
M5シリーズにおいて、大きく進化したのはGPUです。GPUには、各コアにNeural Acceleratorが統合されています。アプローチ的にはNVIDIAのCUDAコアに小型AIアクセラレータを統合したものに似ています。
おそらく、GPUに低精度演算機能を追加したということを謳っていると見られ、GPU演算性能がM4と比較してピーク時に4倍まで向上しているとのこと。AI性能において、GPUはときにNPUを超える性能を発揮することから、AIの性能向上に寄与していることが考えられます。
それ以外にも、メッシュシェーディングのHWアクセラレータ、第3世代レイトレーシングエンジンと、第2世代Dynamic Cachingを搭載しており、グラフィック全体の機能も充実しています。Metal 4にもフル対応しており、Macで対応が進むAAAタイトルゲームの性能にも期待できます。
Fusionアーキテクチャ
個人的に今回注目しているのはFusionアーキテクチャです。M5 ProとM5 MaxはFusionアーキテクチャにより、2つの第3世代3nm(TSMC N3X?)プロセスで製造されたダイをこのFusionアーキテクチャを用いて連結しています。
これはいわゆるマルチチップレットアーキテクチャの一部であると見られています。Appleは過去に「Apple M1 Ultra」等のUltraグレードのSoCで「Ultra Fusion」という技術を開発し採用しています。Ultra Fusionでは、MaxグレードのSoCを2つ連結しUltraグレードのSoCを実現しています。
Ultra Fusionはシリコン貫通インターポーザであり、M3 Ultraでは2.5 TB/sの帯域を実現しました。おそらく、このUltra Fusionと似たような技術を採用しているのがFusionアーキテクチャです。
Ultra Fusionでは、同じシリコン(Maxグレード)が連結されるという構成でしたが、M5 Pro/MaxのFusionアーキテクチャが果たしてどのような構成となっているかは明かされていません。機能ごとに独立したダイなのか、全く同じダイを連結しているのかは現時点でわかりません。
ただ、Apple Siliconの統合型のアーキテクチャというのは基本的にCPU・GPU・NPUが統合されていることが根底となっているので、それぞれのダイにCPU・GPU・NPU・その他諸々を搭載した同じダイを2つ連結しているということになりそうですね。
M5 Pro / M5 Max
それでは、各バリアントの仕様を見ていきます。
CPUの仕様は両者共通しています。6コアのスーパーコアと、12コアの高性能コア、計18コアとなっています。M5 Proにのみ、5コアのスーパーコアと10コアの高性能コア 計15コアのバリアントが存在しています。ヘテロ構成が当たり前になってから15コアとかの変なコア数のCPUが増えてきましたね。
| M5 Max | M5 Max | M5 Pro | M5 Pro | |
|---|---|---|---|---|
| CPU計コア数 | 18 | 18 | 18 | 15 |
| スーパーコア数 | 6 | 6 | 6 | 5 |
| 高性能コア数 | 12 | 12 | 12 | 10 |
| GPUコア数 | 40 | 32 | 20 | 16 |
| メモリ容量 | 48GB 64GB 128GB |
36GB | 24GB 32GB 64GB |
24GB 48GB |
| メモリ帯域 | 614GB/s | 460GB/s | 307GB/s | 307GB/s |
| メモリ規格(予想) | LPDDR5x-9600 | |||
| メモリバス幅(予想) | 512bit | 384bit | 256bit | 256bit |
| Neural Engine | 16コア | |||
| ビデオエンコード エンジン |
2基 | 1基 | ||
| ProResエンコード デコードエンジン |
2基 | 1基 | ||
M5 ProとM5 Maxの大きな違いはGPUでしょうか。GPUはM5 Proと比較してM5 Maxのほうが規模が大きくなっています。GPUは規模と性能が比例するので、単純な話、M5 MaxはM5 Proの2倍の性能を有することになります。
そしてメモリも重要です。M5 Proは307GB/s帯域のメモリを採用、M5 Maxは最大614GB/sのメモリを採用しています。これは単純に搭載しているメモリコントローラとメモリスタックの数が違うことに由来してそうです。
また、M5 Maxでは最大128GBのメモリを搭載可能となっています。
例によってMacはそのメモリ性能からAI研究者から注目されています。メモリの強化が入ることは素直に、恩恵のあるひとが多そう。
メモリに注目してばかりですが、セキュリティ機能である「Memory Integrity Enforcement」にも対応しています。これは、メモリ安全性を強化するための機能で、メモリの領域外へのアクセスを防ぎ、メモリのバッファオーバフローや解放後メモリ領域へのアクセスを防止するという機能です。