錦です。
El Chapuzas Infomaticoによると、SapphireからRDNA 2ベースのマイニング向けGPUがマイナー向けに提供されていることがわかりました。
GPRO
登場したGPUは「Sapphire GPRO X080」と「Sapphire GPRO X060」に2つのモデル。
SapphireのGPROシリーズはこれまでワークステーション向けですが、これらのモデルは完全にマイニング向けとなっており、X080についてはディスプレイの出力はありません。
仕様をまとめましょう。
X080 | X060 | |
---|---|---|
コア | Navi 22 | Navi 23XL |
トランジスタ数 | 172億 | 110.1億 |
CU数 | 36 | 28 |
SP数 | 2304 | 1792 |
クロック | 2132MHz | 2044MHz |
メモリ | 10GB GDDR6 |
8GB GDDR6 |
メモリ速度 | 16Gbps | 14Gbps |
メモリ インターフェイス |
160bit | 128bit |
TGP | 165W | 100W |
価格 | € 750 | € 550 |
GPUはRadeonの流用品になっているようです。Navi 22が搭載された製品は今の所登場していませんが、Navi 23XL、つまりX060と同じコア構成のGPUはすでにRadeon RX 6600として登場済みです。Navi 22も今後Radeon RX 6700として登場する可能性が以前から指摘されているGPUです。
X080とX060の違いとして前述の通りディスプレイ出力の有無がありますが、それ以外にもX080はLinuxでしか使えないという制限があるそう。X060は技術的には他のコンピュート作業にも流用する事ができるとのことです。X080も特に説明はありませんがLinuxであれば他の用途にも使えそうな感じですかね。
接続はともにPCIe 4.0でレーンがX080がx16、X060がx8となっています。消費電力は以下の項目でお話します。
マイニング性能
マイニング性能についてです。マイニング性能は、デフォルトの状態では、X060が27.8MH/sを100W TGPで発揮、X080が38.0MH/sを165W TGPで実現するとしていますが、最適化すれば、X060では29.4MH/sを60WをTGPで、X080では41.6MH/sを93Wで実現することができるそう。
1Wあたりのハッシュレートは最適化することで0.5MH/s/Wくらいにはなります。以前お伝えしたRadeon RX 6600 XTの1Wあたりのハッシュレート、0.5818MH/s/Wには及ばないものの、マイニング効率が良いRadeon VIIを超えるものであり、相当性能がいいことがわかります。
一部のマイナー向け
Sapphire GPRO X060/X080は大規模なマイナーに直接的に販売されているとのことで、一般のコンシューマーが入手できるものではない模様です。
価格は上の仕様表に書きましたが、X080が750ユーロ(約9.6万円)、X060が550ユーロ(約7万円)という状態で、このグレードにしては高いですが、マイニングGPUとしては適正な価格なんじゃないでしょうか。