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Alibaba、サーバー帯のRISC-V CPUと、RISC−V搭載ラップトップの計画を発表 〜 年内に登場へ

3行まとめ

Alibabaは、深センで行われたXuantie RISC-V Ecological Conferenceにて、RISC−Vに関わる発表を行ったことわかりました。

AlibabaのRISC-V

Alibabaは、積極的にRISC-Vの開発を進めており、今回のイベントの名前にも入っている「Xuantie」はAlibabaのRISC-Vのブランド名です。Xuantieには、組み込み向けのEシリーズ、リアルタイム向けのRシリーズ、そして高性能なCシリーズがあり、今回、記事に起こすのもCシリーズです。

同社は、T-Headというチップ開発のチームを組成しており、そこでRISC-Vを数年間研究しています。C910が最初のプロセッサですが、登場からすでに2年経過しており、RISC-Vのエコシステムの拡大に取り組んでいます。

中国は近年の米国との競争の中で、高性能半導体の米国依存の脱却を模索しており、CPUではAlibaba以外にLoongArchというISAが中国国内で誕生しLinuxでも新たにサポートされたり、GeForce GTX 1060並の性能を持つGPUが登場するなどの進化があります。

サーバー向け

今回発表されたのは「Xuantie C930」で、これはサーバーグレードのCPUです。詳細が明らかになったわけではありませんが、AIのアクセラレーションのためのMatrixユニットである「C907」などが実装されているようです。

このC930は今年中に導入される計画となっており、The RegisterはAIにも活用されることを予想しています。

サーバーグレードにRISC-Vがメインのプロセッサとして登場するはおそらく初めてのことになると思われます。これまではRISC-Vはあくまでマイコンやコプロセッサーやコントローラなどでシェアを広げてきましたが、コンピューティングの分野にも徐々に進出しているようです。

特に、HPCの分野においては、RISC-V自体にもx86のAVXやArmのSVEに値するベクトル演算の拡張命令が取り入れられており、今後飛躍的な性能向上のポテンシャルを秘めていると思います。サーバー向けの場合、次に気になるのはプラットフォームですが、アプリケーションの増加のフェーズに到達しているという見解もありますので、近い将来TOP500などでRISC-Vを目にする事があるかもしれませんね。

ラップトップ

また、すでに発表されている「C910」RISC-V SoCを搭載した「RuyiBOOK」も発表しました。こちらは、既存のT-Headのプロセッサ「C910」を搭載するラップトップであり、OSにはRed Hat系のCentOSがベースでHuaweiが提供しているEulerOSのオープン版である「OpenEuler」が搭載されています。

C910はそもそもエッジサーバーやエッジAIなどに向けて作られたものでしたが、ラップトップにも搭載できるようになっているようです。思ったより小規模なのかもしれませんね。

プラットフォームとしては、Alibabaのチャットサービスである「DingTalk」や、オープンソースのオフィススイートである「LibreOffice」がスムーズに実行できるとしており、開発者だけでなく、一般的な使用も可能なデバイスとなることをアピールしています。

RISC-Vベースのラップトップとしては、2022年にDC-ROMAというデバイスが登場していました。こちらもT-Headによるプロセッサが用いられており、RISC-VにおけるAlibabaの存在感は非常に大きいものです。

今後、どのようにRISC-Vが発展していくかには注目です。

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