錦です。
VideoCardzによると、NVIDIAがグラボメーカーに対して1月までのロードマップを示したようです。
このロードマップは、AMDのRadeon RX 6000シリーズに対抗するもので、ハイエンド RTX 3080 Tiと、ミドルエンド・ローエンド向けのRTX 3060・RTX 3050・RTX 3050 Tiが1月に登場することが示されたとのこと。GeForce RTX 3080 Tiは、先日1月に登場することをお伝えしましたが、RTX 3050の情報は初ではないでしょうか。
GeForce RTX 3060のメモリの話
GeForce RTX 3060はRadeonに対抗するためにメモリ容量を増やすともされています。RTX 3060 TiとRTX 3060、RTX 3050 Tiは、PG190という共通のボードを利用するようなのですが、それに実装するSKUやメモリによってそこから更に細分化されている名前を持ちます。例えば、12月2日か11月17日に登場することが予想されているRTX 3060 Tiは「PG190 SKU 10」というボードに搭載されているようです。
RTX 3060については、「PG190 SKU 30」と「PG190 SKU 40」というものがおそらく試作品として存在していましたが、今週に入って「PG190 SKU 50」というボードが見つかったとのこと。このボードには、12GBのGDDR6メモリを搭載しているとのことです。とりあえず、RTX 3060のPG190ボードをまとめるとこうなります。
- PG190 SKU 30(6GB 192bit 14Gbps)
- PG190 SKU 40(6GB 192bit 16Gbps)
- PG190 SKU 50(12GB 192bit 16Gbps)
これらのPG190に搭載されるCUDAコア数(3840コア)の変更はリストされていないとのこと。全部RTX 3060の試作品のようなもののようです。
RTX 3060が12GBものメモリを積んでくることが検討されているのはおそらくRadeonのミドルレンジ帯のGPUの対策と見れるでしょう。AMDはRTX 3070(8GB)の競合となるアッパーミドルレンジレベルGPU「RX 6800」や、RTX 3080(10GB)の競合となる「RX 6800 XT」にも16GBもの容量を搭載しており、おそらくこの流れはミドルレンジにも受け継がれる可能性があります。RTX 3060 TiやRTX 3060が対峙することになるであろう「RX 6700」や「RX 6600」についての情報はありませんが、先手を打っているのでしょうか。
GeForce RTX 3050 Ti
GeForce 3060で使われるGPUコアは「GA106-400」ですが、RTX 3050 Tiにはそのカットダウン版となる「GA106-300」が採用されるとのこと。メモリインターフェイスが192bitで6GB GDDR6のメモリが搭載されると見られます。
こちらはそれ以上の情報はないです。
GeForce RTX 3050
そして、エントリー向けのRTX 3050についての情報です。最近GeForceのリークを多発している毎度おなじみkopite7kimi氏がRTX 3050に関するツイートを行っています。
RTX 3050, GA107-300, 2304FP32, 90W TGP
— kopite7kimi (@kopite7kimi) 2020年11月9日
で、RTX 3050にはGA107-300が採用されているようです。GA107-300にはCUDAコア数が2304基搭載されているようで、そこから導き出すSMコア数は18コアとなっています。
そして、RTX 3050は128bitのメモリインターフェイスとなっており、4GBのGDDR6メモリが搭載されている事がわかっています。RTX 3050のTGPは90Wになっている模様。
では、現状わかっているGeForce RTX 30シリーズをまとめておきます。
RTX 3050 | RTX 3050 Ti | RTX 3060 | RTX 3060 Ti | RTX 3070 | RTX 3080 | RTX 3080 Ti | RTX 3090 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
コア | GA107-300 | GA106-300 | GA106-400 | GA104-200 | GA104-300 | GA102-200 | GA102-250 | GA102-300 |
トランジスタ数 | 174億 | 174億 | 283億 | 283億 | 283億 | |||
CUDAコア数 | 2304 | 3584 | 3840 | 4864 | 5888 | 8704 | 10496 | 10496 |
SM数 | 18 | 28 | 30 | 38 | 46 | 68 | 82 | 82 |
Tensor数 | 72 | 28 | 30 | 38 | 46 | 68 | 82 | 82 |
RTコア数 | 18 | 112 | 120 | 152 | 184 | 272 | 328 | 328 |
ベースクロック | 1410MHz | 1500MHz | 1440MHz | 1400MHz | ||||
ブーストクロック | 1665MHz | 1730MHz | 1710MHz | 1700MHz | ||||
メモリ | 4GB GDDR6 |
6GB/12GB GDDR6 |
6GB or12GB GDDR6 |
8GB GDDR6 |
8GB GDDR6 |
10GB GDDR6X |
20GB GDDR6X |
24GB GDDR6X |
メモリバス | 128bit | 192bit | 192bit | 256bit | 256bit | 320bit | 320bit | 384bit |
帯域幅 | 336GB/s or 338GB/s |
448GB/s | 448GB/s | 760GB/s | 760GB/s | 936GB/s | ||
メモリ速度 | 14Gbps or16Gbps | 14Gbps | 14Gbps | 19Gbps | 19Gbps | 19.5Gbps | ||
消費電力 | 90W | 180W | 220W | 320W | 320W | 350W | ||
リリース状況 | 1月登場? | 1月登場? | 1月登場? | まもなく? | 発売済み | 発売済み | 1月登場? | 発売済み |
見切れている場合は、横にスワイプすることで確認いただけます。
1ヶ月に4製品。特にすでにある情報としてモバイル向けのMax-QやMax-PデザインのGPUも登場するという情報もあります。この記事を書くにあたってWccftechが「 a heated winter(暑い冬)」なんて表現していますが、AMDのGPUの登場もあるでしょうから「酷暑の冬」になりそうな予感。
暑い関連で話をもう一つ。いま外気温がだいたい14度くらい。で、今私の部屋の室温が23度。熱くないですかね。パソコンしかつけてないですよ。私の体温が高いのか、パソコンが熱いか(しかもサブPCなんでGTX 750とQ9450なんですけど)。あ、今回はオマケ的なのもあるので良かったらぜひ。
via Wccftech,VideoCardz
NVIDIAのGPUコアの名前
ここからは余談で、この記事とは関係ないわけではないですが、補足説明というか。
NVIDIAのGPUコアの名前の付け方として、GA+3桁はコアの種類ですが、その後の400や300という数字はそのStreaming Multiprocessor(SM)*1などの稼働率のようなものを表しており、400が100%稼働になっていて、数字が少なくなるにつれて無効化されるSMなどの数が増えていき、ローエンド向けになっていきます。例をあげますと、RTX 3060にはGA106-400というコアがありますが、これはGA106というコアが採用されていて、すべてが有効化されているということで、1つ下のモデルになる、RTX 3050 Tiに採用される「GA106-300」はそこからSMなどがカットダウンされたものになっているというわけです。上の仕様表を見ていただければわかると思います。最後の3桁が小さくなるにつれてSM数・CUDAコア数・Tensorコア数・RTコア数が少なくなっていることがおわかりいただけると思います。で、400がないコアがありますが、400が必ず製品化するというわけではないので、GPUコア数のフルのコア数ってわかるの結構遅いんですよね。