錦です。
NVIDIAは、暗号通貨のマイニング専用に設計された「CryptMining Processor HX(CMP HX)」シリーズのGPUを発表しました。
「CMP HX」はどちらかというと、マイニング用のFPGAのようなモデルであってGPUというと若干御幣があるかもしれません。Pascal世代の時にディスプレイ出力を省略した「P106-100」シリーズがありましたがそれに似ています。「CMP HX」シリーズもディスプレイ出力を備えておらず、一般のコンシューマーやゲーマー向けではありません。
つまり、ステータスをマイニング性能に全振りしていて、マイニングには最適なカードだけども、ゲーミングには不向きなカードになっています。ちなみにこのタイミングでRTX 3060のマイニング性能は落ちました(後述)。
詳しい仕様はそれほど明らかにされていませんが、クロックと電圧が低めに設定されていて、マイニングの電力効率を高めているそうです。
仕様は以下の通りです。
30HX | 40HX | 50HX | 90HX | |
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イーサリアムハッシュレート | 26MH/s | 36MH/s | 45MH/s | 86MH/s |
消費電力 | 125W | 185W | 250W | 320W |
電源ピン | 1x 8pin | 1x 8pin | 2x8pin | 2x8pin |
メモリ容量 | 6GB | 8GB | 10GB | 10GB |
発売時期 | 第1四半期 | 第1四半期 | 第2四半期 | 第2四半期 |
イーサリアムハッシュレートが、イーサリアムでマイニングするときの性能になるのだと思いますが、おおよそこの数字になっています。「30HX」と「40HX」は今四半期中に利用可能になります。vRAMを10GB搭載する上位2モデルは6月までに利用可能になります。
搭載カードは、ASUS、Colorful、EVGA、Gigabyte、MSI、Palitなどの認定パートナーから入手できるようになります。
RTX 3060
NVIDIAはこれに加えて、RTX 3060向けのソフトウェアドライバーで、マイニング性能を約50%制限することを発表。これは、GeForceシリーズとCMP HXシリーズで用途を完全に分断するためです。
現在、世界的なGPU不足になっていますが、その一因がマイニングブームの再燃であることは間違いなく、多くのマイニングファームで大量のゲーミングGPUが稼働しています。NVIDIAはこの圧倒的ゲーミングGPUの供給不足を補うためにGTX 1050 TiやRTX 2060を復活させたりしていますが、今回は用途を分けることによって対策したようです。
つまり、GeForce RTX 3060は、ゲーミング性能に全振りしていて、マイニングには圧倒的に不向きなGPUになっているということです。
これすなわち、NVIDIAがRTX 3060はゲーミング用だからマイナーはHXを買え!って言ってる感じですね。
これによりRTX 3060が入手しやすくなることが期待されますが、製品のラインナップの中でもミドルレンジになるRTX 3060は、マイニング需要がなくとも非常に需要が大きいので、入手性はかなり悪くなりそうな気がします。
個人的にはこれもっと大々的に拡散すべき情報だと思うんですよ。RTX 3060って既に一部のマイナーには出回ってるみたいですし(買ってマイニング性能でなくて騒ぐのは勝手だけど、買い占められて一般消費者に影響が出てるっていうのはほんとにやめて欲しい)。
GeForce RTX 3060は3月25日米国で発売、日本では2月下旬に発売されることが予告されています。