錦です。
NVIDIAのマイニング向けGPU「CMP 170HX」をLinus Tech Tipsという海外のYouTuberが分解してレポートしています。
CMP 170HX
CMP HXシリーズはNVIDIAがマイナー向けに公開している、暗号通貨のマイニングに特化したGPUとなっています。今年の夏にGeForceに対してLHRというハードウェアとソフトウェアを組み合わせたマイニング制限が追加されています。CMP HXは、NVIDIAのその制限に対する代替案であり、マイニング向けにハイエンドなGPUのコアをかなり無効化した上で、リリースしているものです。
一時期登場したマイニング向けGTX 710のように、画面出力がないというのも特徴です。
CMP 170HXはその最上位のGPUとなっており、GPUにはNVIDIA A100にも採用されている、GA100のカット版、GA100-105が採用されているそう。GA100がベースになっているということでメモリもHBM2eを8GB搭載しています。
NVIDIAはこのカードを正式には発表していませんが、すでにいくつかのサイトで取引されています。
動画のサムネイルにもあるように、このカードは5000ドル、日本円では60万円程度で取引されるものですが、GA100 GPUを搭載している唯一のA100自体かなり高価な代物なので、170HXはGA100 GPUを再安価で手に入れる事ができる手段でもあります。
実際の動画
実際の動画は上のYouTubeを見ていただきたいのですが、まず、巨大なヒートスプレッダが気になります。GA100のサイズがどんなものかを忘れましたが、たしかにかなりのコアが無効化されたとしても、かなり巨大なダイであることがわかります。
多くの機能使えず
60万円というと、Quadro系統でも最上位グレードのGPUが購入できる価格ですが、CMP 170HXはあくまでもマイニング向け。そのため多くの機能が無効化されています。まず、DirectXとVulkanが使えないようになっています。これによって、ほぼ全てのゲームが170HX上で動作しません。
また、BlenderでのレンダリングもCUDAカーネルでできなかったとのことで、使用できるワークフローがかなり限定的であることがわかります。
実際のマイニング性能
実際のマイニング性能については、200Wで165MH/sを実現できたとのこと。この効率は現状のマイニング向けGPUどころか全てのGPUの中でもトップクラスの性能を誇っていることになります。また、1Wあたりのハッシュレートも0.825と非常に高くあっており、効率もトップクラスとなっています。
