錦です。
MyDrivers.comによると、NVIDIAがTSMCの5nmプロセスの製造容量を獲得するために、数十億ドルもの多額の保証金を支払っている可能性があることがわかりました。
TSMCの保証金
TSMCは同社での製造を要求する顧客に対して、保証金として製品の代金の前払いを求めています。その詳しい金額はわかりませんが、これについてAppleとAMD、MediaTekなどの一部企業は他の企業に比べてこの保証金が低く設定されているそうです。
簡潔に言ってしまえば、TSMCが製造容量を割く分の保証料のようなもので、たとえそれが製造ラインを作ったとしてもTSMCに損がないようにするためのものというわけで、前述の企業はTSMCからしても製造容量を最多としても損がないという信頼がある企業というわけです。
それに対してNVIDIAはTSMCのその保証金の引き下げの対象にはなっていないようで、第3四半期の時点で16.4億ドル(約1,885億円)を前払いし、更に今後17.9億ドル(約2,058億円)を支払うことになるそうで、長期受注前倒し全体でなんとい69億ドル(7,930億円)もの代金を先払いしているそうです。私の予想ですが、おそらくこれは、NVIDIAがSamsungなどのほかのファブに移行してしまう可能性を考慮したものなのでしょう。
RTX 40のプロセス
RTX 30番台はSamsungの8nmを使っています。同じAmpereアーキテクチャを採用するNVIDIA A100と、そのカットオフ版であるCMP 170HXではTSMC 7nmが使われています。
22年後半に登場すると見られているRTX 40シリーズは5nmを採用する見通しが強まっていますが、どのファブを使って製造されるかはまだ確定されていません。ただ、大方の見方としてSamsungとTSMCの両方のファブを用いると見られています。
で、その具体的な比率というのはわかっていませんが、今回の情報より、NVIDIAは熱心にTSMCの製造容量を格闘しようと奮闘しているところを見るに、TSMCのほうがその比率が大きくなると考えられています。
RTX 40は2022年後半に登場すると見られています。