錦です。
Intelは、5月に開催されたIntel Visionで存在を明らかにしていた「Arctic Sound-M」を採用したクラウド向けのGPU「Intel Data Center GPU Flex Series」を正式に発表しました。
Flex Series
Arctic Sound-Mは、Intel Arcに採用される「Xe-HPG」をベースにしたデータセンター向けのGPUとなっています。IntelはXeのラインナップの中で、データセンター向けの「Xe-HP」を発表していますが、それとはまた違ったものになります。
今回発表された「Flex Series」はそのArctic Sound-Mの実際の製品となります。
Flex Series 140 | Flex Series 170 | |
---|---|---|
アーキテクチャ | Xe-HPG | Xe-HPG |
コア | ACM-G11 | ACM-G10 |
製造プロセス | TSMC N6? | TSMC N6? |
対象 | Server | Server |
EU数 | 256 | 512 |
Xe Core | 16 | 32 |
レンダリング スライス |
4 | 8 |
レイトレーシング ユニット |
16 | 32 |
XMXエンジン | 256 | 512 |
ベースクロック | 1,600MHz | 1,950MHz |
最大クロック | 1,950MHz | 2,050MHz |
メモリ | 12GB | 16GB |
メモリタイプ | GDDR6 | GDDR6 |
メモリインターフェイス | 192bit | 256bit |
メモリ帯域 | 336GB/s | 576GB/s |
メモリ速度(計算上) | 14.0Gbps | 18.0Gbps |
cTDP Down | 75W | 150W |
TBP | 75W | 150W |
接続 | PCIe 4.0 x8 | PCIe 4.0 x16 |
最大画面出力 | 0 | 0 |
それぞれコアはACM-G11とACM-G10を採用しており、Arcと共通となっています。
この製品の主なターゲットは、メディア配信・ゲームストリーミング・AI・メタバースの他、クラウドにも用いることができます。クラウドゲーミング用途では、Arcベースなのでレイトレーシングにも対応しており、クラウドゲーミングにも適しています。
メディア用途でも、AV1のハードウェアエンコーダを搭載しています。Intelは、半分の電力でメディアトランスコード性能で競合製品の5倍、デコード性能で2倍発揮するとしています(Flex Series A140とNVIDIA A10で比較)。実際にサポートされるストリームですが、カードあたり1080p60では最大36ストリームの、4K60では8ストリームのトランスコードスループットを実現できる他、4Uサーバー構成で10枚のカードで構成されたシステムでは最大360ストリームのHEVC-HEVC 1080p60トランスコード スループットを実現できます。
また、前述の通りAV1エンコーダも搭載されますが、メディアエンジンが搭載され、HEVC、AVC、VP9などの幅広いコーデックをサポートします。
Flex Seriesでは、Androidクラウドゲーム機能が提供されるとのことで、Androidゲームをクラウドストリームとして提供することができるそうで、720p30のゲームストリーミングで、Flex Series 170単体で最大68ストリームを、Flex Series 140では最大46ストリームを達成できます。また、Flex Series 140を6枚でスケールすると、最大216ストリームになります。
その他、IntelのoneAPIなどのオープンソフトウェアスタックも利用可能となっています。
展開
Flex Series GPUを搭載したシウテムは、Dell、HPE、H3C、Insqur、Lenovo、Supermicroなどから登場するとのことで、はじめはAndroidクラウドゲームのワークロードから開始されます。ついで、Windowsクラウドゲーム、AI、VDIのワークロードが続くことになるそうです。