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JEDEC、「GDDR7」の仕様を公開 ~ PAM3への対応などでデバイスあたり192GB/sの帯域を実現

3行まとめ

JEDECは「GDDR7」を正式にリリースしました。今年から来年以降に順次搭載製品が登場する見込みです。

GDDR7

GDDR7は、GDDR6の後継であり大幅な仕様変更が加わっています。

まず、結論として性能は最大2倍となるデバイスあたり192GB/sとなっています。これによって、ゲームやグラフィックから、コンピューティングやネットワーキング、AIアプリなどで高まるメモリ帯域幅に対する需要に応えられるとしています。

では、実際にどのようなアップデートがあるのかを見ていきます。

GDDR6まではNRZ(non-return-to-zero)インターフェイスだった信号が、PAM3に変更され、2サイクルで2bit送信する信号だったのが2サイクルで3bit送信できるようになっています。これだけでも同じクロックで1.5倍の転送速度向上となります。PAM3はUSBなどにも採用されていますが、DRAMに採用されるのはこれが初めてと見られています。

このPAM3の採用だけで、192GB/sに必要なメモリクロックも48Gbpsではなく、36Gbpsまで抑えられることが考えられます。

また、独立したチャネルが2から4に倍増し、2チャネルモードのサポートを含む16Gbit~32Gbitの密度にも対応します(あれ、GDDR6って32Gbitサポートしてなかったっけ)。

総じて、今後のハイエンドのグラフィックボードでは最大1TB/s台後半(1.5TB程度)の帯域の実現はありそうではあります。

登場は来年以降になりそう

今年は、年の巡り的に「GeForce」と「Radeon」がアップデートされる可能性が高い年でもあります。ただ、NVIDIAは今月のGTCでおそらくHPC向け(Hopperの後継)をリリースすると見られますが、こちらはGDDRではなく、HBM3eを採用する可能性が非常に高いです。

一方で、今年登場するグラフィックボードがGDDR7を採用するかと言われればそれもイエローです。というのも、すぐに採用するのはコストが高いため、ハイエンド帯ではGDDR7、エントリ~ミドル帯では引き続きGDDR6あるいはGDDR6Xが使用される可能性があります。どちらにせよ、全体的にメモリ帯域は向上する可能性が高いです。

また、GPUだけでなく、例えばAIの発展によって需要が高まっているアクセラレータやASICなどが先行する可能性もありますね。

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