錦です。
Intelは、Xe-HPGマイクロアーキテクチャをベースにした高性能GPUブランド「Intel Arc」を発表しました。
Intel Arc
Intelは同社が、(本格的に)投入するdGPUとしては初めてとなるGPUアーキテクチャとしてXe Graphicsを発表しています。そのゲーミング向けのGPUはXe-HPGとされていましたが、それの製品名やもう少し具体的な情報が明かされたことになります。
Xe GPUは、第12世代CoreのiGPUにも搭載される「Iris」の「Xe-LP」、サーバー向け「Xe-HP」、HPC向けの「Xe-HPC」のいいとこ取りをしたのが「Intel Arc」となっています。
ブランド的に、Irisが競合する相手は、NVIDIAの「GeForce MX」、AMD APUのiGPUや、「RX」を冠さないRadoen 630のようなローエンドGPU。Intel Arcが競合する相手は「GeForce RTX」や「Radeon RX」のようなゲーミング向けの汎用GPUとなるわけです。
Alchemist
Intel Arcこと「Xe-HPG」は、これまで「Intel DG2」というコードネームで表されていましたが、これが新たに「Alchemist」というコードネームに変更されました。つまり、Intel Arcの第1世代は「Alchemist」シリーズになるというわけです。
「Intel Arc」と「Xe HPG」と「Alchemist」。わかりにくいと思いますが、AMDで置き換えると、「Arc」というのが製品ブランドとなる「Radeon」、「Xe-HPG」というのがGPUシリーズとなる「RDNA 2」、「Alchemist」がGPUコアのアーキテクチャとなる「Navi」とそれぞれ対応するものと見られます。より詳細なSKUの名前がわからないので、RDNA 2とNaviは逆になる可能性がありますが、だいたいこんな感じです。
Alchemistの後継
Alchemistの後継も明らかにされ、順に「Battlemage」「Clestial」「Druid」となります。一貫性ないなぁ。
機能
一応、GeForceやRadeon RXと競合するため、Direct X 12 Ultimateを完全にサポートしています。すなわち、Direct Raytracing(DXR)にも対応することを意味しており、ハードウェアのレイトレーシング(NVIDIAのリアルタイムレイトレーシングに相当する)機能を搭載します。その上、AIのスーパーサンプリング(NVIDIAのDLSSに相当する)機能を搭載しています。
特に、スーパーサンプリング技術についてはもう少し詳しい概要がまもなく明らかにされる見込みで、AMDのFSRをサポートするのか、それに加えて独自のプラットフォームがどうなるのかが気になります。
GPUダイの写真
GPUダイもこのタイミングで公開されています。大きいほうが最上位GPUコア、小さい方はミドルレンジ向けということでしょうか。
今回はまだプロセスノードなどが案内されておらず、Intelで製造するのか、TSMCで製造するのかについての具体的な情報はありません。ただし、TSMC 6nmで製造するという可能性が指摘されています。