錦です。久々のApple Siliconの話。
ShrimpApplePro氏がApple M1/A16/M2についての情報を含むTwitterスレッドを投稿しています。
From a fairly reliable source, but take this one with a big grain of MSG.
— ShrimpApplePro 🍤 (@VNchocoTaco) May 26, 2022
A16 Bionic will continue to use 5nm from TSMC N5P. From the list I received from source “TSMCFF5”
Upgrades are slightly better CPU, LPDDR5 RAM and better GPU. (1/3) pic.twitter.com/lYebcki94F
今回の内容は正直、信憑性にかけるものがあります。
Apple A16
Apple A16(仮称)はiPhone 13シリーズとiPhone SE、iPad mini 6に採用されているApple A15 Bionicの後継となるSoCです。Nishiki-Hubではお伝えしていませんが、今年登場すると見られているiPhone 14(仮称)シリーズは、iPhone 14 Pro/14 Pro MaxではApple A16にアップデートされますが、iPhone 14ではA15が引き続き採用されるという情報が複数あります。
そんなApple A16ですが、Apple A14/A15に続いて3世代連続でTSMC 5nmを採用することがこのツイートからわかりました。プロセスはN5Pになるとのことです。
向上部分は、CPUの性能が僅かに向上し、GPUの性能は向上(程度は不明)、メモリはLPDDR5にアップグレードされるとのことです。
Appleが製造プロセスを3世代連続で同じものを使うのかと言われれば若干意味が異なります。Apple A14ではN5プロセスだったのが、A15ではN5Pが採用されています。プロセスの世代自体は同じですが、マイナーとは言えアップデートが含まれています。
5~4nm世代にはN5、N5P、N4(4nm)プロセスが存在します。これらのプロセスルール間ではアーキテクチャの互換性が存在しますが、Appleはまだ4nmを使わないということなのでしょうか。TSMC N4自体は昨年末の時点でMediaTekのDimensity 9000が、そして先日、QualcommのSnapdragon 8+ Gen 1の採用が発表されました。TSMCのプロセスとしては珍しく、Appleが最初の顧客ではないんですよね。異例続きです。
Apple M1 Extream(仮称)
Mac向けApple Siliconの第一世代となったApple M1シリーズは、Mac Proに採用されるものでラインナップの拡充が終わります。つまり、Mac Proに採用されるチップが最後のM1チップというわけです。ここではApple M1 Extreamと仮の名前を使いましょう。
現時点でのM1シリーズ、M1/M1 Pro/M1 Max/M1 Ultraはすべて性能コアに「Firestorm」、効率コアに「Icestorm」を採用していました。これは、Apple A14世代でスケールさせたものであり、アーキテクチャは共通となっています。
ただ、ツイートによるとM1 ExtreamではA15と同じ「Avalanche」「Blizzard」ベースのチップになるとのことです。
性能 | 効率 | プロセス | |
---|---|---|---|
A14/M1 | Firestorm | Icestorm | N5 |
A15 | Avalanche | Blizzard | N5P |
M1シリーズのうち、Apple M1 Extreamだけがアーキテクチャが変わるというのはちょっと考えにくいような気がします。この理論でいうと、M1 Ultra発表時にAppleが「Apple M1 Max以上に大きいチップを作るのは制約がある」としてこれ以上のチップ単体でのスケールを否定したこのタイミングでアーキテクチャを入れ替えるのはちょっと無理があると考えます。
特に、M1 ExtreamはM1 Maxを4つにスケールしたもの(Ultra Fusionをつかって)であると見られていますので、正直信憑性は低めかなあと。
Apple M2
Apple M2はM1の後継となるシリーズです。
ツイートによれば「TSMC FF3」というTSMC 3nmプロセスを採用するみたい。そして、アーキテクチャがArmv8.4ベースからArmv9ベースになります。AppleはApple A15の時点でもArmv9を採用しておらず、QualcommとSamsungとMediaTekに遅れを取っています(だからといって性能に大差がつくわけではないのですが)。
この話を見ると、Apple M2はApple A16と別世代あるいは別アーキテクチャとなるようです。これもちょっと考えにくいかと。Intelみたいに専業メーカーがアーキテクチャを複数並行させるのはわかるのですが、Appleが複数のアーキテクチャを並行開発するのはないかと。いくらArmベースとはいえ・・・。
N5PとN4は互換性がありますが、N3とは互換性がありません。つまり、Apple A16とApple M2は別のアーキテクチャである可能性が高いです。あるいは、NVIDIAのAmpereのようにシュリンクできるタイプのアーキテクチャか。個人的には、M2の製造容量の獲得に成功したんだったらそこでA16作るだろって考えています。
ちなみに、現時点でA16とM2は4nmで製造されるという情報もあり、結構錯綜しています。
まとめ
まとめると、
- Apple A16はTSMC N5PプロセスでA15からプロセスの更新はなし
- Apple A16はLPDDR5をサポートする
- Apple A16とM2は同世代ではない可能性
- Apple M1 Extream(仮称)はApple A15ベース
- Apple M2はTSMCFF3(3nm)で製造される
- Apple M2はARMv9ベースである
ということです。この内、プロセスの話については信憑性が低めです。あくまで噂として捉えておきましょう。