錦です。
Qualcommが、Windows10 ノートパソコン向けのSnapdragon8cxを発表しました。これは、ノートパソコン向けIntelキラーになりかねないかも知れません。
Snapdragon8cx
Snapdragon8cxは、モバイル向けではなく、Windows10用に発表されたSoCです。
Microsoftは、Qualcommと提携して、Windows10 ARMという、ARM向けのWindows10をリリースしています。今回発表されたSnapdragon8cxは、Snapdragon850同様にこのWindows10 ARM用のSoCとなります。
ウィンテルと言われた提携は終わってしまうのでしょうか。
仕様
仕様としては、ARMベースのものになっています。
TSMC 7nmプロセスルールで製造されます。製品化されたプロセッサの中ではARMとはいえ、世界初のPC向け7nmプロセッサになります。
CPU Kryo495
CPUにはKryo495が採用されます。
Kryo495は、プライムコア4コア+4コアの計8コアとなっています。直前に発表された、モバイル向けSnapdragon855に搭載されるKryo485は、プライムコア1コア+パフォーマンスコア3コア+4コアになっていて、この構成のうち、パフォーマンスコアもプライムコアになったということで良さそうです。
プライムコアは、最大2.75GHzとなります。
GPU Adreno680
GPUは、ALUなどが増やされたと言うだけで、詳しい発表はありませんでした。
メモリインターフェースが128ビット幅へと倍増しておりSnapdragon845のAdreno630に比べて20%の高速化と60%の高効率化が果たされているようです。
その他の仕様
LPDDR4(2,133MHz)をサポートし、NVMe接続のストレージ・USB TypeC 3.1 Gen2をサポートします。
しかし、Thounderbolt3はサポートされません。
性能
公式によると性能は、Intel Core Uと同等の性能を持ち、MacbookAirのIntel Core Yよりも省電力で3倍もも高速だそうです。
Intelの正式なライバルに?
軽量ノートブックにおいて、ファンレスでも十分な性能を発揮するSnapdragonは魅力的です。
これまで、WindowのARM版というのは良いものではなく、そもそも対応するアプリが少なかったり、Microsoftが制限をかけまくったりと散々なものでした。
しかし、今回は、FirefoxのARM64版の開発が進んでいることもQualcommは主張しています。と同時に、これまでSnapdragonでは対応できなかった Windows10Enterpriseにおいても対応が発表され、これまでセキュリティの関係からEnterpriseのSKUが必須だった企業でも導入が可能になっています。
ファンレス・ソフトも対応してきた・低電力・軽量・低価格・ある程度高性能を備え持つ、ARMベースのSnapdragon8cxは、IntelのU Y シリーズの正当なライバルといえるのではないでしょうか。
そして、Intelは低価格帯のシェアを奪われ、H・HKなどのノート向けハイエンドプロセッサのみで優位に立てるようになんるのではないでしょうか?今後も必見です(正直、昔のソフトを持っている方はIntelのほうがよさそうですけどね)。