Nishiki-Hub

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今年、登場が予告されている製品やサービス

はじめに

1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」において、被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。皆様の無事と、一刻も早い復興を心から願っています。

さむね

2024年が始まりました。今回は、2024年に発売または投入が予告されている製品やサービスをおさらいしていきたいと思います。

Apple Vision Pro

まず、昨年のWWDCで発表されたAppleの空間コンピューティングデバイスです。両眼で2,300万ものピクセルをもつ超高解像なディスプレイに、数多くのセンサーを搭載しているVision Proは、アプリを現実空間上に展開できるような感じになっており、更に、外の世界と隔絶されないように、外部からは自分の目が映るようになっているなどの工夫も導入されています。

アプリはVision Pro向けに開発されたものの他にもiPadiPhone向けのアプリがデフォルトで対応するようになっています。

チップにはApple M2とApple R1チップが搭載されています。

価格は、3,499ドル、日本円で496,600円程度〜となります。米国内では今年前半に発売され、それ以外の地域では今年後半に発売される予定です。日本で今年発売されるというアナウンスはありませんが、開発者向けへの実機テストが東京でも提供されているため、米国に続く発売国の一つになることが確実視されています。

Intel

Arrow LakeとLunar Lake

Intelの第2世代Core Ultraとなる製品で、Meteor Lake及びRaptor Lake-Refreshの後継となる製品です。一応メジャーアップデートになる見込みです。

Meteor Lakeから引き続きタイル構造を採用し、デスクトップ向けでは初めてのタイル構造採用製品になる見込みです。基本的にCPUが最も大きなアップデートになる見込みで、それ以外でもIntel 20Aプロセスが採用される製品となります。Intel 20Aプロセスは、旧称で5nmにあたる製品となります。他社でいうGAAFETとなる「RibbonFET」を初めて採用する世代になるようです。

現時点でArrow Lakeがどのようなアーキテクチャで登場するかは明かされていませんが、登場に向けて徐々に明らかになっていくことでしょう。

そしてもう一つのラインナップがLunar Lakeです。こちらは超薄型向けのCPUラインナップとなる見込みで、製造プロセスはIntel 18Aとなります。当初、Intel 18Aは2025年投入の予定となっていましたが、計画が順調であり2024年後半に前倒しになっています。

Lunar Lakeは、Meteor Lakeの後継ではなく、新しいフォームファクタ向けの製品となっています。おそらく、Apple SiliconやSnapdragonに対抗する製品であり、超薄型軽量のデバイスに採用される見込みです。

こちらも現状殆どの情報がわかっておらず、どのようなアーキテクチャや仕様で登場するかは不明です。

Intel Sierra Forest

データセンター向けに視点を移すと、Intel Sierra Forestが控えています。Sierra Forestは、最大288コアのEコアで構成される高密度プロセッサで、物理コア数を要求するようなクラウドサービスのような環境に向けて投入されます。288コアを単独のソケットで実現すると世界で最もコアが多いプロセッサになる見込みです。

これは、AMDの「Bergamo」(EPYC 9004の一部)と同様に多コアArmプロセッサの競合として投入し、既存のデータセンター向けCPUのTDPや消費電力で多コアを実現します。

Intel Granite Rapids

Granite Rapidsは、Emerald Rapidsの後継となる製品で、こちらは性能も要求するようなデータセンターやHPC向けに導入されるPコアで構成されたXeonです。第6世代スケーラブルプロセッサとなる見込み。

Intel 4プロセスのマイナーチェンジであるIntel 3プロセスで製造される計画となっており、AMX拡張命令セットにFP16精度の対応が追加されAI性能が向上する他、AVX10のサポートが進みます。

Sapphire Rapids、Emerald Rapidsからマイクロアーキテクチャが見直され性能も向上することになります。

個人的には、Granite Rapids-Maxが登場してもおかしくはないような気がしますがどうなんですかね?スパコンが登場すればの話になるのでしょうが。

NVIDIA H200

AIで躍進を続けるNVIDIAは、Hopper GPUアーキテクチャに新しい「NVIDIA H200」を投入します。

H200はH100の更に上位となる製品で、最大4.8TB/sの帯域幅を実現するHBM3eに強化したり、メモリ容量を141GBにするなどの更新が入っています。H100と比較して、GPT-3のトレーニング性能で1.6倍、Llama2で1.9倍になるなどの性能向上を実現しており、NVIDIAとしては旧世代のA100からの乗り換えを想定しているようで、A100と比較してHPC性能が2倍になると主張しています。

次世代

巡り的に、今年はGPUアーキテクチャに更新が加わる見込みです。それがHPCなのかコンシューマなのかその両方なのかはわかりませんが、AI時代を作り上げたと言っても過言ではないNVIDIAの発表には注目です。

NVIDIAは直近でCESに登壇する他、GTC 2024も予告されています。

AMD

性能3倍の新Ryzen AI

AMDは、Ryzen 8040シリーズを発表した際、AI性能を3倍に引き上げるという新しいRyzen AIの投入を予告しています。

現在、コンシューマ向けのプロセッサ内蔵NPUで最も高い性能のAIを提供しているのはQualcomm(75 TOPS)ですが、現在は39TOPSなので、この新しいRyzen AIがこれを超える可能性もありえます。

Ryzen 8040シリーズ搭載デバイス

そして、Zen 4とRDNA 3で構成された新しいRyzen 8040シリーズを採用したデバイスが今年第1四半期に登場する見込みとなっています。

今回はRyzen 7040シリーズと比較して大きなアップデートとなっていませんが、それでも性能が引き上げられています。CESで大量に製品が登場する見込みです。

Qualcomm

Snapdragon X Elite

QualcommApple Siliconに対抗して、Arm ISAながら独自のアーキテクチャ「Oryon」を最大12基搭載した「Snapdragon X Elite」を今年半ばに投入します。

Snapdragon X Eliteは、Apple M2やIntel Raptor Lakeなどを超えるCPU性能と、IntelAMDと大きく上回るAI性能を誇っており、そこにQualcommの強みである省電力が加わり、割りと最強のSoCになった気がします。

さあ、どう転びますかね・・・。IntelAMDと並ぶ3強となるか、やはりアプリの互換性問題で遅れをとってそれほどシェアを奪えないか。個人的にはスマホ史上のMediaTekのような存在になればいいと思うのですが。

JASM稼働

これは製品ではありませんが、TSMCの日本の子会社JASMの熊本の工場が7月に製造を開始します。

最初に生産が始まるのは、少数株主であるソニーデンソー向けなどの国内向けの需要に対応するもので、22nm/28nmや12nm/16nmのみとなります。つまり、AppleAMDのような先端半導体の生産は行われないということです。

ただ、どうやら続く第2工場や第3工場ではより先端なプロセスが投入されるという情報もあります。このあたりはTSMCの計画とともに、日本政府、特に経産省の思惑も絡みますので、どうなるかはわかりません。

さくらインターネットのH100採用レンタルサーバ

国内では最大規模となる2,000基のNVIDIA H100を用いたAI向けのレンタルサーバーサービスが今年始まります。さくらインターネットが今月以降にH100を利用した新しいサービスを提供するとしています。

このサービスの導入によって日本でも手軽にAIトレーニングリソースを確保できるようになります。

今年も楽しそう

これだけ見ても、今年は楽しそうな年です。特に、サーバーセグメントでは、高密度プロセッサが出揃うことになるほか、Meteor Lakeの拡大によって半導体の製造技術も進化します。

そして、AppleVision Proのような新しいコンピューティング体験も楽しみです。

ということで、ドメインも新しくなった「新・Nishiki-Hub」今年もスタートです!!