錦です。
2017年に16コア32スレッド、2018年には32コア64スレッドという、驚異の数のコアを搭載し、Intelを多コア化へ走り出させたAMD Ryzen Threadripper。今年も出るのか不安視されていました。
というのも、複数のソースより「2019年のThreadripperはキャンセルされた」という情報が出回ったためです。しかし、実際にはキャンセルされていないとのことです。
Ryzen Threadripper
Ryzen Threadripperは、2017年に登場したRyze 3/5/7/9の上位もモデルで、それまでXeonなどでしか実現していなかった2桁のコア数を搭載しています。先述の通り、2017年のThreadripperの最上位モデル 1950Xは16コア32スレッド、2018の最上位モデルでは驚異の32コア64スレッドを搭載しています。そして、そのコスパも注目で、同価格帯でIntelのコア数はというと18コアがせいぜい。32コアは夢のまた夢でした。
そして、Intelも多コア化に踏み出し、登場させたXeon W-1975Xは価格がなんと50万円。Threadripper 2990WXが20万前後で32コアなのに対し、Intelはその倍の価格で28コアという驚き。手軽に多コアを成功させたいユーザーにとっては、かなり衝撃的な製品だったと思います。
Ryzen 3000シリーズ
Ryzen Threadripperは、メインストリーム Ryzen 3000シリーズ同様に Zen 2マイクロアーキテクチャを採用してくるとみられます。8コアCPUダイを複数搭載して多コア化することになるでしょう。
コア数は32コアのそのまた倍 64コア128スレッドになることが見込まれます。COMPUTEXで発表された(Nishiki-Hubでは取り上げていない)EPYCのRomeをベースにするとみられます。
上の写真で見たらわかる通り、パッケージには小さなCPUダイが左右に4基ずつ計8基、大きなI/Oダイが中央に1基あります。前世代のThreadripper同様、EPYCをベースにしているため、第3世代のThreadripperもこのパッケージの同様の配置になるとみられます。
Zen 2の時にお話ししましたが、Ryzenは第3世代よりI/Oダイを同封しており、メモリコントローラなどのコントローラの一部がCPUに搭載されています。これにより、メモリコントローラが分散していたが故の弱点の多くを解消できるといわれています。
ただ、バランスを撮れていないのはメモリチャンネル。4チャンネルになるとみられますが(Romeは8チャンネル)、Xeon W-1975Xとか、MacProの最新の28コアXeon Wが6チャンネルに対し・・・なのは、少ないのかなと思います。ワークステーション向けを称してるんだったら、もう少し多めにとは思いますが、8レーンもあれば十分なんですかね。
水冷は不可避なんでしょうけど。逆に8コア以上のコアはいらないというのが個人的な感想です。