錦です。
AMDは先程19時(日本時間)、COMPUTEX TAIPEI 2019で発表した第3世代Ryzenプロセッサと、同イベントで名前だけ発表し、E3でその全貌が明らかになった Radeon 5700/5700 XT/5700 XT 50th Anniversary Editon(日本は未発売)を発売しました。
第3世代 Ryzen
第3世代Ryzenは、メインストリームであるiGPUを搭載しないRyzen 5/7/9(無印/X)にはCES 2019で発表したZEN 2を採用、第3世代とはなっているもののZen +(Zen 2の人世代前のアーキテクチャ)を採用したRyzen Gで構成されています。
今日発売されたのは、Ryzen9 3950X以外のすでに発表されている第3世代Ryzen 計6モデルで、最大12コア24スレッドとなっています。
Zen 2では、1つのダイに最大8コアを搭載でき、パッケージ上にはI/Oダイを搭載しています。CPUダイは7nmプロセスで製造され、I/Oダイは14nmプロセスで製造されます。I/Oダイにはメモリコントローラが内蔵されており、パッケージとメモリコントローラが別々になっているがゆえに起こっていた問題も大幅に修正されます。AM4ソケットパッケージには最大CPUダイを2つ搭載することができるため、16コア32スレッドが実現でき、AMDもRyzen 3950Xで16コア32スレッドのCPUを発表していますが、発売は今回ではなく9月です。
Zen2採用 Ryzenの特徴として、世界で初めてPCIe Gen4をサポートするCPUであることで、同時にリリースされたX570マザーボード、後述のRadeon RX 5700と組み合わせることでPCIe 4.0環境を整備できます。すでにいくつかのPCIe 4.0に対応したSSDも徐々に登場しています。
また、第1/2世代Ryzenと同じAM4ソケットなので、PCIe 3ですがマザボそのままで移行可能です。BIOSのアップデートなどいる場合がありますが。
価格・性能はこの通り。Zen+が採用されたRyzen Gは、iGPUとしてRadeon RX Vegaが採用され、プロセスルールも12nmプロセスになっています。ソケットは同様AM4です。性能表にかかれていない(書き忘れた)TDPですが、Ryzen 9 3900X/Ryzen 7 3800Xが105W、Ryzen 7 3700X/Ryzen 5 3600が65W、Ryzen 5 3600Xが95Wとなっており、Core i9-9900K+10Wで12コアを達成できます。16コアのRyzen 9 3950Xも105Wになっています。すごく電力効率がいいです。
Radeon RX 5700
Radeon RX 5700は、Naviと呼ばれた新しいアーキテクチャ RDNAが採用される新しいGPUで、第3世代Ryzen同様 PCIe 4で接続します。
Radeon RX 5700自体は、ミドルレンジ向け、GeForceに合わせると RTX 2060やRTX 2060 SUPER、RTX 2070が相手になります。RTX 2080のハイエンドに対するのはCES 2019で発表されたRadeon VIIです。ただRadeon VIIはVegaアーキテクチャです。
Radeon VII同様 7nmプロセスで製造され、日本では発売されるか不明ですがAMD 50周年を記念したモデル5700 XT 50th Anniversary Editionではブースト時クロックが1980MHzとほぼ2GHzのクロックを発揮します。RX 5700では36のComputeUnit(演算ユニット CU)、RX 5700 XTでは40のCUが搭載され、vRAMはともに8GB GDDR6。Radeon RX 500シリーズからメモリ規格がアップグレードしました。Radeon VIIのHBM2よりもインターフェイス等劣りますが十分すぎます。
Radeon RX 5700 XT 50th Anniversary Editionは、さきほどから行ったように日本で発売されるかは不明です。このモデルのみAMD直販のみでの販売となり、日本ではその直販がないため不明だということです。1980MHzというのは魅力ですが、日本では普通の5700 XTの1905MHzが最大クロックです。ただGeForceよりもクロックは上回っています。
高コスパ
今回出たCPU・GPUは、X570マザーボードでかなりやすく構成することが可能です。
とくに、IntelとAMD Ryzenを比べるとAMDのコスパは異常です。GPUの方は、NVIDIAが寸前にRTX SUPERを提供したためなんとも言えない状況にはなりましたが、今後登場するRDNA採用の5900などのGPU次第では、十分対抗馬になると思われます。
手軽に多コア・高性能PCを試したい方はぜひ。