錦です。
韓国・Samsungが先日発表した最新フラッグシップスマートフォン Galaxy Note10シリーズですが、イヤフォンジャックがなくなっています。これについての内容です。
残ったやつ
スマートフォンに、ワイヤレス化・薄型化の波が押し寄せるとイヤフォンジャックと、充電ポートがいらなくなるのは想像に難くはありません。いくら内部の部品やパーツを薄くしたところで、充電ポートにも薄さの限界があるし、イヤフォンジャックなんかはかなり昔から大きさの規格が変わっていないことから薄くすることは不可能です。
イヤフォンジャックを廃止するメリット
イヤフォンジャックを廃止するメリットを端的に言うと、イヤフォンジャックがなくなった分、実装できるものが増えることになります。
そもそも、なぜイヤフォンジャックを廃止するのか。それは先述の通り、薄型化の波もありますが、実際には薄型化と言うと語弊があります。iPhoneやGalaxyなどの高価帯スマートフォンには先端の技術が詰め込まれています。ぎゅうぎゅうに。
もちろん、それがソフトウェア的なテクノロジーなのであれば、ストレージとSoCを強化すればいいだけの話。しかし、ハードウェアのテクノロジーを付与するとなると、それのためにエンジンやコントローラを搭載する必要が出てきます。しかし、その先端技術はスマートフォンという手のひらサイズに収める必要があります。スマートフォンの内部は、半分近くをバッテリーが占有しており、実際にパーツを実装できるのはわずかです。近年、バッテリーも大容量化しており、それに伴い、バッテリーの占有率も高くなっています。話は若干それますが、この結果、まず画面の巨大化の理由になります。
そして、その小さなスペースに、ポート類のスペースは邪魔です。正直、先端技術に関しては微細化を行うことで小型化を図ることができます。これは大きさに関する規格がないものが多いためです。しかし、イヤフォンジャックは業界標準・規格が決まっており、小型化することができません。これがメリットです。
戦略でもある。
AppleはiPhone 7でイヤフォンジャックを廃止したとき、同時にワイヤレスイヤフォン Air Podsを発表し、その数か月後に発売しました。これは世界中で大いに売れ、世界でもほぼトップのシェアを持ちます。イヤフォンジャックを廃止することで、有線のイヤフォンを買うメリットがなくなり、「充電しながら音楽を聴けない」「コードが絡まる」といった問題に対処することができます。実際、ワイヤレスイヤフォンにすることで、イヤフォンジャックの占有はなくなり、ワイヤレスの実装に関しても、もとからあるBluetoothを利用すればいいだけ。
で、イヤフォンジャックを廃止することで、これらの売上もあげることが出来ます。「純正品だよ」「特有の機能があるよ」を押し出せば多少高くても買う人は多いです。その結果AirPodsはこれらの理由に加えて「Appleブランドだから」という理由も相まって大人気になりました。
Galaxy S10発売時に同時発売されたSamsungのワイヤレスイヤフォン「Galaxy Buds」は、完全にAirPodsを意識したものになっています。つまり、AirPodsと同じ道を歩もうとしているわけです。この製品が出てくる噂がたってた頃は多くの方がGalaxy S10でイヤフォンジャックが廃止されると予想したはず。
もちろん、イヤフォンジャックを無くすことで他社製のワイヤレスイヤフォンに流れる可能性もありますが、実際にGalaxy Budsに流れるユーザーの方が多いです。これは明らかにSamsungにとって利です。