錦です。
Appleは22日に開催されたWWDCの基調講演でmacOS Big Sur 11.0を発表しました。
名称
今回の名称は、Big Sur。Big Surは米カルフォルニアにある地名です。Appleは、Mac OS X Marvericksから、米カルフォルニア州の地名をmacOSの名称にしています。MarvericksからYosemite、El Capitan、Sierra、Mojave、Catalinaそして、Big Surです。Appleはこれまで面白おかしくOSの名称になった経緯を説明していましたが、マーケティング上の理由から今年からは結論のみが述べられるようにしています。
バージョン
Mac OS X がリリースされた2001年から、バージョンはずっと 10.xでした。しかし、Big SurではこれがついにmacOS 11になりました。OS Xの名称がなくなったmacOS Sierraで、バージョン10の縛りはなくなりましたが、それから5年でのバージョンアップになりました。これは、Mac OS X 以降最大のアップデートであることや、記事の最後に紹介するARMプロセッササポートが鍵を握ります。
変更点
デザインの変更
アプリアイコンやメニュー、Dockを含む、各デザインが過去最大レベルで変更されました。
コントロールセンター
コントロールセンターが追加され、よりかんたんに各種設定が行えるようになりました。各ブロックはメニューバーにショートカットとしてD&Dで登録できます。
通知センター
通知センターも大きく改良され、iOS 14のようなウィジットのサイズ変更や、柔軟な配置にも対応しています。
マップ(Apple Map)が大きく改良
マップは、iPadのマップアプリからMac catalystを利用し移植されたものになっており、iOSのマップアプリ同様、より柔軟なルート検索などにも対応しています。
Catalyst
Catalystは、iPadのアプリを最低限の変更でMacに移植できるもので、macOS Catalinaで初めて実装されました。Big Surでは、これがより強化され、ネイティブ解像度や、メニューバーの対応強化などが図られており、よりMacの機能が利用できるようになっています。
Safari
Safariも大幅に改良されました。高速化、セキュリティ、機能すべてに大きなアップデートが提供されます。
まず、表示速度。AppleはSafariがChromeに比べて、よく訪れるサイトで50%高速と歌っています。JavaScriptの処理速度も向上しているとのことです。
プライバシーの部分では、インテリジェントトラッキング機能の強化と、クッキーや追跡を監視できる、プライバシーレポートを新たに追加しています。拡張機能についても、より細かくアクセスの許可を出せるようになりました。
機能面では、Apple Translateによる、自動翻訳が追加されています。ウェブサイトをリアルタイムに翻訳できるようになりました。また、拡張機能は、他のブラウザ用の開発しやすいように改良されており、Microsoft EdgeのChromium移行を意識しているようにも見えます。また後で触れますが、Safariの拡張機能のカテゴリがMac App Storeに新設されているとのことです。
スタートページも改良され、背景の設定や、ブックマーク・リーディングリストの配置、拡張機能による拡張などもサポートされています。
Mac App Store
Mac App Storeでは、先程触れたとおり、Safariの拡張機能のカテゴリが新設され、よりかんたんにSafariに拡張機能が導入できるようになります。
また、このあと触れるApple独自シリコンMacのために、iPhone向けiPad向けアプリの導入が可能になりました。
ARM対応
今回のアップデートのもっとも大きな部分がこれです。
昨日の記事でお伝えしたとおり、AppleはmacOS Big Surの世代で、Apple独自シリコンのMacを導入します。そのため、macOS Big Surではこの対応と、移行機能が追加されています。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
リリース
開発者向けのDeveloper Betaはすでにリリースされている他、一般向けのPublic Betaも来月登場する予定です。
互換性は、2013年以降のハードになっています。