錦です。
Qualcommは、Tech Summit Digital 2020の2日目の基調講演で、昨日発表されたSnapdragon 888の詳細な仕様を明らかにしました。
昨日発表された内容はこちらの記事より確認できます。
CPU
発表の順序が異なりますがCPUからです。CPUにはKryo 680が新たに採用されています。
CPUは、8コアとなっており、構成は 1MBのL2キャッシュを持つプライマリコア×1、512KBのL2キャッシュを持つパフォーマンスコア×3、128MB L2キャッシュを持つ効率コア×4コアの計8コアで変わりありません。クロックは、プライマリから順に2.84GHz、2.4GHz、1.8GHzとなっており、L3キャッシュが4MB、システムキャッシュが3MBとなっています。Armのコアとしては、プライマリコアには「Cortex-X1」、パフォーマンスコアには「Cortex-A78」、効率コアには「Cortex-A55」がそれぞれ採用されていて、どれも今年5月に発表された、最新のアーキテクチャになっています。
同社は、前世代よりも25%性能が向上し、25%電力効率が向上したとしています。
GPU
続いてGPU。GPUにはAdreno 660が新たに採用されています。Adreno 660では、35%の性能向上と20%の電力効率の向上が謳われています。
GPUが強化されている他、ディスプレイ機能が強化され、OLEDディスプレイで均一な画像品質を保ちます。
同社は865でSnapdragonが経過時間によらず一定の性能を発揮することをアピール。同社は名前を伏せていますが、Apple Aシリーズ(特にiPhone)では、ベンチマークを複数回 回したりすると性能が落ちることがあるので、この部分で他社のSoCを上回っていることをアピールしています。CPUでも同様のアピールがなされました。
そして、Qualcommが提供するゲーミングプラットフォーム「Snapdragon Elite Gaming」対応デバイスでは、ゲームによって144FPSでプレイすることができます。CoDでも90FPSでプレイ可能。また、10bit HDRに対応する事もできたり、4Kでプレイすることも可能です。Dolby Atmosにも対応します。
また、Qualcomm Game Quick Touchテクノロジーが新たに使えるようになり、レスポンス(遅延)が60FPSで最大20%少なくなります。120FPSでの10%軽減するので、瞬発性を求められるゲームでは役に立つかもしれません。
世界のスマートフォンSoCで初めてVariable Rate Shadingにも対応し、描画品質が向上。よりリアルなゲームグラフィックを実現しています。
AI
Snapdragon 888には、Hexagon 780が採用されており、AIが強化されています。
また、第2世代のSensing Hubも合わせることにより、常時、省電力でAI処理を行うことができます。
Qualcommは、Hexagon 780 + Kryo 680 + Adreno 660 + Sensing Hub + メモリ で第6世代のQualcomm AI エンジンをSnapdragon 888が構築しているとし、26TOPSの性能が出るとしています。
画像
画像処理技術もかなり向上しました。
まず、Snapdragon 888で画像処理機構となる「Spectra 580プロセッサ」はISP(画像信号プロセッサ)を3つ搭載しており、2.7ギガピクセルを1秒間に処理でき、35%速度が向上したと謳っています。そして、計算撮影についてもこれまで8bitまでの対応だったのが、10bitでもこれが利用可能になりました。10bit画像の処理自体はSnapdragon 845から可能です。
Kryo 680やAdreno 660、第6世代AIエンジン そしてSpectra 580が搭載されているSnapdragon 888採用スマートフォンでは、4K 120FPSのビデオの録画と再生、AIによる処理、AIによるホワイトバランスやオートフォーカスができる他、Spectra 580のトリプルISPにより、3つの4K HDRビデオや、3つの28MP画像を同時に処理することができます。
現在もイベントは続いているため、より詳細なことは分かり次第お伝えします。