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Smoozが情報の取り扱いについての問題が発覚 一時配信停止

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錦です。

アスツールは、同社が提供しているモバイル向けWebブラウザ「Smooz」において、ユーザー情報の取り扱いについて問題が発覚しているとして、アプリの配信を停止しました。

Smoozにおけるユーザー情報の取り扱いについて | Smooz Blog

経緯

はじめは、ユーザーがSmoozを解析したところ、Smoozがユーザーの閲覧情報をアスツールに送信していることが発覚しました。ただし、Smoozは一部の機能を提供するためにこれらのデータを送信するプライバシーポリシーを規定しているので、これだけではあまり問題がなかったのですが、サービス利用データの提供設定をオフにしても閲覧情報がアスツールに送信されているというところや、プライベートモードでも閲覧情報がアスツールに送信されているというところが問題に上がっています。

つまり端的に言うと、ユーザーがいかなる設定をしていてもSmoozはアスツールに対して情報を送信していたということです。

Smoozポイント

Smoozには数ヶ月前に「Smoozポイント」という機能が実装されました。この機能は、Smoozで標準の検索エンジンとして設定されている「Google(高速)」で健全な単語を検索することでポイントが貯まり、このポイントをギフト券などに交換できるという機能です。そもそも、アスツールがこの機能においてどのように収益を上げていたかというと、Googleには「Programmable Search Engine」というAPIがあり、これを利用することで検索結果にGoogle広告(Adsense)やGoogle Analyticsを設置することができます。広告で収益を上げているというわけです。そのため、このAPIを利用しない検索エンジン(通常のGoogle検索を含む)に設定するとSmoozポイントはたまらなくなります。

Smoozポイントには付与条件があります。検索することでポイントが貯まるとは言うものの「一般的で健全な単語」である必要があります。例えば「Apple」は一般的で健全ですが、「porn」は健全ではないので除外、「Nishiki-Hub」は一般的ではないので除外というふうな条件があります。その判定をアスツールのサーバーが行っていました。これによってアスツールがユーザーの検索内容を把握できるのではないかということが問題視されました。

アスツールの対応

アスツールの対応をまとめます。

  • サービス利用データの提供をオフ時・プライベートモード時でも広告表示のためのAPIコールが止まっていなかったので停止→ネットワーク広告SDKの動作を停止できていなかったので、広告SDK自体の利用を停止することで改善
  • アカウント削除機能のアプリ上での実装(これまではアプリ内のチャットで削除依頼をする必要があった)
  • プライバシーポリシーと初回起動時の承諾画面をよりわかりやすく改善
  • Smoozポイントの検索結果のポイント付与対象かどうかの判定機能をサーバー側ではなくアプリ側に実装
  • ウェブサイトのロゴ(favicon)をアプリ側で処理する
  • はてなブックマークAPI利用について、利用規約に違反していることが判明したため削除

VPNについても、情報の取り扱いが懸念されています。Smoozの機能の一つであるVPN機能の設定時には「VPNサービス品質を確保するため、VPNの接続ログ(SmoozユーザーID、IPアドレス、端末ID、接続時刻、接続成功・失敗)とエラーログは取得します」というポップアップが出ますが、同社は「これらはVPN接続が失敗した場合のトラブルシューティングや、サービス品質改善のために取得しているデータであり、閲覧履歴・検索履歴を含めた他のデータは一切取得していない」としています。

読者の皆様へ

Nishiki-Hubでは、Smoozのリリース当初からSmoozの紹介を度々行ってまいりました。そして、モバイルブラウザとしてSmoozの利用を推奨してまいりましたが、このような問題が発覚してしまった以上、推奨することはできません。Nishiki-Hubからアプリの削除を共用することはできませんので、削除するかどうかは読者の皆様のご判断におまかせいたしますが、このような問題が発生したということだけはお知らせしておきます。

プライバシーポリシーは本当に重要な内容も含まれていますので、様々なサービスを利用する場合はプライバシーポリシーを一読することをおすすめします。