錦です。
マイニングブームが微妙に盛り上がったり、落ち着いたり、最近はそれを繰り返していますが、GPUの入手性はどうなのでしょうか。
日本国内の価格推移
緊急事態宣言によって、外出は避けるべきだろうということですが、近々日本橋に行く用事があるので、時間が余れば少しでんでんタウンとかPCワンズとか巡ってGPUの値段を調べてその時はまたレポートします。
とりあえず今回は、前回同様、価格.comで値段の推移を見ます。
RTX 3060
まず、メインストリームとして根強い人気がある、GeForce RTX 3060搭載カード「GeForce RTX 3060 GAMING X 12G」から。価格の兆候として、かなり価格も落ち着いたように見えます。このカードの定価は66,000円で、マイニングブーム真っ盛りの5月中旬には約2倍の12万円に平均価格が達するなど、大きく高騰することになりました。ですが現在は最安値が71,316円(ディーライズ)、平均価格が73,184円と、定価+7,000円程度となっています。
こちらは、マイニング制限が入ったLHR版のRTX 3060を搭載するASUSのカード「ROG-STRIX-RTX3060-O12G-V2-GAMING [PCIExp 12GB]」の価格推移です。こちらは登場時期がGeForce RTX 3060 GAMING X 12Gと異なるため、グラフ範囲が異なります。初値が79,989円と割と高い価格で登場しているのが少しだけ特徴的です。8月中頃から急激に値段が急上昇していますね。これは、8月にもう一度マイニングブームが加熱したためにあると思われます。ただ、LHRはハッシュレートがかなり制限されているため、それだけが要因かどうかはわかりません。単に品切れの可能性もあります。
マイニングブーム以外でもリモート需要・ステイホーム需要の関係で半導体の圧倒的に不足がつづている状況なので、一概に高騰化の理由がマイニングブームとは言い切れない部分があります。
RTX 3060 Ti
RTX 3060 Tiは製品によってかなり差がありますが、全体的に言えることは価格は比較的下落傾向にあるということです。
こちらは一番人気の「GeForce RTX 3060 Ti GAMING X 8G LHR」です。LHRじゃないRTX 3060 Tiはもはや手に入れることは不可能だろうと思えるほど品薄、あったとしてもRTX 3090並の価格など異常な価格逆崩壊が発生しています。一方、LHR向けの価格は割と落ち着いており、NVIDIAのリファレンスの価格である59,980円には及ばないものの、7万円台で購入できるなど、普通には変えるようにはなっているみたいです。店頭の価格もおおよそ8万円前半となっており、一時期よりかは入手性は向上しています。
ただし、この価格減少のシナリオには沿わないカードもあるなど、価格の推移が読みづらいので、短期的に購入を検討している方はともかく、長い期間でGPUの購入を検討中の方でこのミドルグレードのGPUをお求めの方は、入手性には注視が必要です。少なくとも今後1年間はミドルグレードの価格の推移は読みづらい部分があります。
RX 6600 XT
今月登場したAMDのミドルレンジGPUである「Radeon RX 6600 XT」ですが、ITMedia PC USER_の記事によると、RX 6600 XTがピンポイントで枯渇しているとのことです。
AMDは、Radeonについてマイニング制限を行わないことを明らかにしているため、NVIDIAのLHR版GPUと比較してマイニング性能が高いものもあります。実際、RX 6600 XTはマイニングする際に重要となる電力効率がAMD/NVIDIA含めた現行ラインナップのなかで最もいいという情報もあり、マイニングに最適なGPUとして枯渇が続いているそう。
これは厳しそう。価格.comには比較するほどの項目がなかったので省略・・・。
RX 6700 XT
RX 6700 XTも一時期よりかは価格が落ち着いた印象。一時10万円を超えた平均価格も、今は8万円台に落ち着いています。
世界的な水準
Graphics Card Prices in 🇩🇪🇦🇹 Aug 29, 2021
— 3DCenter.org (@3DCenter_org) 2021年8月30日
👉 Availability is still good, but lose a step.
👉 AMD prices slightly up (again).
👉 nVidia breaks its trend, prices now going up as well.https://t.co/CFEsLahDYW pic.twitter.com/cLSwn6f80v
世界的な水準としては、3DCenter.orgがまとめたドイツとオーストリアのGPUのMSRP(希望小売価格)比のグラフによれば、AMDもNVIDIAも上昇傾向っぽい横ばい。実際には割と速いペースで価格が上昇しつつあります。
8月8日にMSRP比1.5倍だったNVIDIAは最新の29日にMSRP比1.6倍に、AMDは8日に1.6倍だったものが29日には1.64倍に上がっています。NVIDIAは8日が谷底でそこから上昇しつつある感じですが、AMDは7月頭から一定のスピードで上昇を続けています。
ともに5月ほど急激な速度な上昇ではないのですが、嫌な兆候が出ています。特にAMDはマイニング制限がないので、今後高騰する可能性が高くAMDのGPUを長期的に検討している方は注視が必要です。
ただ、RX 6600 XTを除いて、入手性がものすごい悪いというわけではなく、ある程度入手は可能みたいです。
RTX 3060シリーズの供給は減少
IT Homeによれば、新型コロナウイルスの拡大によって、一部の中国の工場が一部閉鎖されている関係で、ボードパートナーが来月上旬にかけてGeForce RTX 3060シリーズの出荷が減少すると予想していることがわかりました。その減少率は最大50%とのことで、来月上旬にはRTX 3060とRTX 3060 Tiの入手が非常に難しくなる可能性があります。
これがどのレベルまで影響があるのかは不明ですが、それなりに問題にはなりそうです。