錦です。
シリーズものです。3DCenter.orgがドイツの価格の価格の推移を示し、世界的なGPU価格の推移を伝えています。
この記事はライトユーザー・ゲーマー・クリエイター向けの情報です。
日本でのGPU価格推移
ではまず、日本でのGPUの価格推移を見ていきます。
まず前提として、今回のグラフは10月頃からにしてあります。そのGPUも昨年5月〜夏頃にかけて発生した以上高騰よりもかなり安価になっていることをはじめにお知らせしておきます。
それを置いて、前回お伝えしたのが11月24日。そこから実は日本での価格は横ばい傾向にあるGPUが結構ありました。あるいは上昇傾向。これは、ちょっと想定外。日本ではマイニングの影響をあまり受けてないのかもしれません(後述)。
上記2つのグラフはどちらもRTX 3060です。価格はご覧の通り平均価格が上昇傾向にあります。ただし、水色線 最低価格は下がっていますので、これは何なんでしょうね。価格が上がってるのか下がってるのかかなり微妙なライン。価格は大体7万円〜8万円でのリストとなりました。
そしてコチラはRTX 3060 Ti。玄人志向のカードです。価格は大体9万円台中盤で取引されている感じです。
日本での想定平均価格一覧
価格.comで検索かけてみた現在の価格です。最高の最低価格とは、検索結果の最高価格をとったものです(ただし、異常な数値は除いています)。
最低価格 | 最高の最低価格 | 想定取引平均 | |
---|---|---|---|
RTX 3060 | 67,980円 | 88,680円 | 78,330円 |
RTX 3060 Ti | 88,000円 | 113,861円 | 100,931円 |
RTX 3070 | 108,000円 | 126,980円 | 117,490円 |
RTX 3070 Ti | 110,000円 | 145,720円 | 127,860円 |
RTX 3080 10GB | 145,000円 | 175,000円 | 160,000円 |
RTX 3080 12GB | 168,000円 | 219,800円 | 193,900円 |
RTX 3080 Ti | 180,000円 | 244,589円 | 212,295円 |
RTX 3090 | 280,000円 | 348,000円 | 314,000円 |
RX 6500 XT | 33,000円 | 37,400円 | 35,200円 |
RX 6600 | 55,000円 | 59,400円 | 57,200円 |
RX 6600 XT | 62,700円 | 118,250円 | 90,475円 |
RX 6700 XT | 92,000円 | 124,850円 | 108,425円 |
RX 6800 | 137,500円 | 152,730円 | 145,115円 |
RX 6800 XT | 144,800円 | 196,970円 | 170,885円 |
RX 6900 XT | 172,800円 | 266,465円 | 219,633円 |
ヨーロッパ
では、世界的な価格(ドイツでの価格)をみます。一応これが世界基準っぽい感じになります(一応、ユーロ圏でにたような感じらしいし)。
価格は横ばいからやや下がりつつあります。紫点線は、GPUの平均入手性を示しており、こちらも昨年9月からは徐々に上昇傾向にあります。
価格への影響
現在GPUを取り巻く状況について説明します。
まず、暗号通貨ですが、GPUマイニングがそもそもはかどらない可能性があり、マイニング用途におけるGPU需要が減少傾向にあるようです。その理由は、イーサリアム(ETH)が今年中頃にETH 2.0に完全に移行することにあります。ETHのマイニングではこれまでGPU性能によるマイニングによって報酬を受け取るProof of Works(PoW)という仕組みでしたが、ETH 2.0ではProof of Stake(PoS)という仕組みに完全に移行します。この仕組みはマシンパワーをPoWほど要求しない(ただし常時稼働を必要とするらしい)ため、GPUも必要ない=GPUの需要逼迫の一因が解消するということになります。
あと、こちらは価格への悪影響ですが、ファウンダリの製造価格の上昇などの要因によりGPUの定価自体が値上がり傾向にあります。これが悪影響になります。
今後の予測
今後のGPUの価格推移は横ばい〜下落傾向になると予測します。要因は以下の通り
- ETHのPoS移行によりマイニング需要がある程度縮小する
- マイニング需要がなくなったことにより質のいい中古部品が出回り始める(どこまで広がるかは不明)
- あと暗号通貨の価格が今一気に下落している。アメリカの政策次第。
- RTX 3050やRX 6500 XTの登場によってエントリ帯〜ミドル帯では選択肢が増加 = 特にRTX 3050はRTX 3060の欠損品を流用している可能性があり、そうしたGPUが出回り始めることを期待する
- ただし、半導体の供給の安定はまだその兆候が見られないのでグンと下がることはまずありえない。
- 定価自体の値上がりもありやや先は見通せない