錦です。
今回は、iOS 12についてのお話です。以前、iOS 14の提供が終了したと話したとき、いくつかのメディアが「iOS 12のサポートも終わっている」なんて伝えていました。まだAppleから発表されたわけではないので、確定ではありませんが、それに足りる要素は割とあるのです。
iOSが3バージョン並行
そもそも、iOS 12というのは2018年にiPhone XR/XSとともにリリースされたOSです。iPadで最後のiOSかつ、iPhone 6とiPhone 5sでは最後のアップデートなったものです。
iOS 13ではiPhone 6s以降のサポートとなり、iPhone 6以前のiPhoneやiPadはサポート外となりました。しかしiOS 12はiOS 13のリリース後14回もマイナーアップデートがされており、世界的な事情があるとは言えど、接触通知に対応するためのアップデート「iOS 12.5」が配信されるなど、特例が長く続きました。
そのアップデートの期間中、4ヶ月の間があくことはあったもののある程度平均して1〜2ヶ月に一回アップデートが来ていました。アップデートが来るタイミングは基本的に最新のiOSが更新されたタイミングで、最新のiOSと同じセキュリティアップデートが施されるといったものでした。実は、その4ヶ月空いたのは7月〜11月という、最新iOSが忙しい時期だったため、最新のiOSに注力したと考えられます。
リリース日 | 日差 | 対応するバージョン | |
---|---|---|---|
iOS 12.4.2 | 2019/9/26 | iOS 13.1 | |
iOS 12.4.3 | 2019/10/28 | 32 | iOS 13.2 |
iOS 12.4.4 | 2019/12/10 | 43 | iOS 13.3 |
iOS 12.4.5 | 2020/1/28 | 49 | iOS13.3.1 |
iOS 12.4.6 | 2020/3/24 | 56 | iOS 13.4 |
iOS 12.4.7 | 2020/5/20 | 57 | iOS 13.5 |
iOS 12.4.8 | 2020/7/15 | 56 | iOS 13.6 |
iOS 12.4.9 | 2020/11/5 | 113 | iOS 14.2 |
iOS 12.5 | 2020/12/14 | 39 | iOS 14.3 |
iOS 12.5.1 | 2021/1/11 | 28 | 独立したリリース |
iOS 12.5.2 | 2021/3/26 | 74 | iOS 14.4.2 |
iOS 12.5.3 | 2021/5/3 | 38 | iOS 14.5.1 |
iOS 12.5.4 | 2021/6/14 | 42 | 独立したリリース |
iOS 12.5.5 | 2021/9/23 | 101 | iOS 14.8 |
現在 | 2022/2/13 | 143 |
こちらは、iOS 12.4.2以降のリリース日と、その前後でリリースされ、共通の脆弱性が修正されている最新のiOSを示しました。iOS 12.5.1やiOS 12.5.4は、iOS 12特有の脆弱性を修正しているようでした。そして、現時点での最新版iOS 12.5.5はiOS 15と共通の脆弱性は修正されておらず、iOS 14.8と共通していました。
基本的に、iOSのバージョンが違えど、ベースとなる部分、例えばWebKitにある脆弱性については、iOS 15にも存在する脆弱性がiOS 12にも存在するということは全然ありえますし、多くの場合共通した脆弱性になります。iOS 15.xではすでに多くのWebKitベースの脆弱性が修正されていますので、それが一切修正されていないところをみると、iOS 15のリリースと共にiOS 12はサポートを終了したと考えられます。
日数的に考えても、iOS 12.4.8-12.4.9の間を一ヶ月近く超えており、まもなく5ヶ月になります。これを踏まえてもiOS 12のサポートは終わったと見ていいでしょう。
iOS 12で最後を迎えた物
iOS 13でサポートされず、iOS 12でサポートされた物とその発売日を書きます。
- iPhone 5s(2013/9/23)
- iPhone 6/ 6 Plus(2014/9/21)
- iPad Air(2013/11/1)
- iPad mini 2(2013/11/12)
- iPad mini 3(2014/10)
- iPod Touch 6(2015/7/15)
特にこの中で最も古いiPhone 5sはピッタリ発売から8年でサポートを終了したことになります。Androidではここまでサポートが続く端末はなかったはずなので、歴代のスマートフォンの中でも最も長い期間サポートされたものになるでしょうね。
iOS 15もそうなるかもね
iOS 13〜iOS 15の3バージョンでは、一切サポートデバイスが脱落していません。iPhone 6sが今の所6年間(7世代)のサポートが確定しているので、最新のiOSがサポートされているものとしては歴代最長となっているものの、機能がリッチ化する中でおそらくそろそろ脱落するでしょう。
そうなれば、iPhone 6sとともにiPhone 6s Plus、iPhone SE、iPad Air 2、iPad mini 4、iPad 5、iPad Pro第1世代も脱落することになります。
しかしこれらのデバイスも未だに人気で常用されているデバイスでもあります。ということを考えると、iOS 15もiOS 12見たくしばらくアップデートが続きそうな気がします。iOS 12が3年でサポートが切れたのは多分macOSを模倣してのことかと見られます(macOSは各バージョン3年間サポートされる)。
それを踏まえると、iOS 15は2024年秋までサポートされることになりそうです。この予想があたっているかは知りません。