NTTドコモは、同社が展開している、多様なグローバルベンダーが連携して提供するオープンRANサービスブランドです。OREXの導入によって、初期費用や維持管理費などを含む総保有コスト(TCO)最大30%、ネットワーク設計稼働を最大50%、基地局での消費電力を最大50%削減するとしています。
OREXサービスラインアップ
今回発表されたおは「OREX RAN」「OREX SMO」「OREX Services」の3つです。
OREX RANは、同社が唯一4G時代から行っていた複数の通信機器ベンダーを組み合わせたネットワークの構築の知見の基、様々なベンダー製品を組み合わせることが可能となるオープンRANの特徴を生かしたコストパフォーマンスの高い基地局を提供するそうです。OREX PARTNERS 13社の強みを融合した仮想基地局(vRAN)と、各国の周波数に対応した無線装置(RU)を提供するサービスとしています。OREX PARTNERSには、AMDやIntel、NVIDIA、Qualcommのようなハードウェア基盤を提供する企業のほか、富士通やNTTデータ、Red Hat、VMwareなどのソフトウェア基盤を提供する企業が含まれています。さらにRUベンダーには今後、NECやDENGYO Technologyなど7社が加わるとしています。
OREX SMOは、NTTが開発した無線アクセスネットワークの設計や設定、監視を効率化するために、自律的に最適な装置運用を実現できるソフトウェアを提供します。これによって、設計稼働を最大50%削減するとしています。
OREX Serviceでは、前述のOREX RANとOREX SMOの導入時に必要な調達やシステムインテグレーションなどのサービス、運用、メンテナンスを提供するものとしています。
すでに9月22日から、NTTドコモの5Gネットワークに「OREX RAN」と「OREX SMO」を先んじて導入し、運用を開始しています。OREX RANによる組み合わせでは、IntelプロセッサとNVIDIAのGPUアクセラレーションで構成された汎用サーバーに構築されたWind Riverのクラウド仮想化基盤に富士通の基地局ソフトウェアを組み合わせたシステムです。
NVIDIAが公開したリリースによると、NTTドコモのこの取り組みは、世界で初めてGPUアクセラレーションを商用5Gに採用した取り組みとしています。