錦です。
Core i9-10850Kは、Comet Lake-Sの中では上から二番目となる仕様(Fモデルを除く)となっており、ブーストクロック・ベースクロックともに最上位のi9-10900Kから100MHz下げられた仕様になっています。
コア数 | スレッド数 | 定格クロック | TB 2.0 | TB Max 3.0 | TVBoost | キャッシュ | TDP | 価格 | |
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i9-10900K | 10 | 20 | 3.7GHz | 5.1GHz | 5.2GHz | 5.3GHz | 20MB | 125W | $488 |
i9-10850K | 10 | 20 | 3.6GHz | 5.0GHz | 5.1GHz | 5.2GHz | 20MB | 125W | $453 |
i9-10900 | 10 | 20 | 2.8GHz | 5.0GHz | 5.1GHz | 5.2GHz | 20MB | 65W | $439 |
i7-10700K | 8 | 16 | 3.8GHz | 5.0GHz | 5.1GHz | 16MB | 125W | $374 | |
i7-10700 | 8 | 16 | 2.9GHz | 4.9GHz | 4.8GHz | 16MB | 65W | $323 |
例によって、表中のTB 2.0は従来のターボブースト(Turbo Boost 2.0)を、TB Max 3.0はTurbo Boost Max Technology 3.0を、TVBoostはThermal Velocity Boostを指しています。
この表は、i7以上の65W 125WのSKUを仕様でまとめたものになっています。クロックの部分を見ていただければ、ひとつ上のi9-10900Kと比べて0.1GHz下回っていることがわかります。
コア数・スレッド数は共通で、Comet Lake-Sの仕様であるためキャッシュも変わらず20MBとなっています。i9ということもあり、温度と電力の調整により最大200MHzクロックを上昇させるThermal Velocity Boostも有効化されており、Thermal Velocity Boost仕様時におけるクロックが5.2GHzで、オーバークロックしない状態での最大クロックはこの値になります。Thermal Velocity Boostの発動条件は、CPU温度50度未満と電力に余裕があるときに発動します(水冷必須)。
TDPは125Wになっており、クロックが下がってようが消費電力に差はありません。また、他のK付きモデル同様、95WへのコンフィグラブルTDP Downが設定されており、その場合、定格クロックが3.6GHzから3.3GHzに下がります。なお、この仕様は10900Kと代わりありません。
Kがつくことから分かる通りアンロックモデルになっており、オーバークロック可能。プラットフォームはその他のComet Lake-Sと共通で、Intel 400シリーズチップセット、ソケットはComet Lake-Sから採用されるLGA-1200となります。最大メモリ容量は128GB、メモリチャンネルは2チャンネル、DDR4-2933がサポートされています。このあたりの仕様はi9-10900Kと同じです。
既存の多くのComet Lake-S製品と異なり、vPro製品はありません。
やはりこのSKUで一番気にするところは価格なのでしょうか。100MHzのクロックダウンで、3500円ほど安くなっています。今回の話では全く触れていないiGPUですが、クロックについても300MHz~1.2GHzと、これまた10900Kと共通。クロック以外の仕様で10900Kとの差はないようです(オーバークロック可能という点ではかなりコスパ良いのでは)。
クロック勝負という部分では、AMDもMatisse Refreshを投入しており、Intelとバチバチですが、125W、、、この超電力が足かせのような気がします。
以下、Intel ARKでのi9-10900Kとi9-10850Kの比較ページです。色がついている部分が相違点です。