錦です。
Intelは、第11世代デスクトップ向けCPUとなるRocket Lake-Sの詳細を明らかにしました。
Rocket Lake-Sは、Comet Lake-Sの後継シリーズとなり、デスクトップ向けのメインストリームCPUになります。今回は、製品は登場せず、Rocket Lake-Sの概要のみが発表されました。では見ていきます。
アーキテクチャ
デスクトップ向けCPUは第6世代のSkylakeから、現時点での最新シリーズ 第10世代 Comet Lake-Sまで、Skylake系統のアーキテクチャが採用されてきました。そのため、実質的にはIPCなどが同じで、クロックを上げて性能向上を果たしていました。
しかし、Rocket Lake-Sでは新たにCypress Coveのアーキテクチャを採用したものになりました。デスクトップ向けでは初めて「Cove系」と呼ばれるアーキテクチャが採用され、IPCが向上することをアピールしています。同社の発表では、Cypress CoveがSkylakeやKaby Lakeといったアーキテクチャと比較して、2桁%のIPC向上が実現できるとのこと。
Cypress Coveアーキテクチャ自体は、Ice LakeのSunny Coveがベースになっているとのことです。Intel Deep Learning Boostにも対応し、機械学習の性能が大きく向上しています。
製造プロセスについては言及されませんでしたが、14nmが採用されると予想されています。OEMメーカーなどの情報によると、14nmの製造プロセスが更に改良され「14nm++++」と呼ばれているものになるそう。Kaby Lake・Coffee Lake・Comet Lakeで3回改良された14nmは、さらに改良が加えられ、どうやら10nmに性能が近づいているようです。製造プロセスの向上による性能の向上にも注目です。
コア
さて、実際の仕様を見ていきます。まず、コア数は最大8コアになるとのことです。Comet Lake-Sの10コアからは減少しますが、Cypress Coveの採用によりIPCが向上するので、実質の性能向上が期待できます。今回は、実際に数値としてComet Lake-Sとの比較は登場しませんでしたが、さすがにComet Lake-SよりRocket Lake-Sのマルチスレッド性能が低いのはおかしいでしょう。
グラフィックス
グラフィックスには新たにXeアーキテクチャのIntel UHD Graphicsが採用されます。こちらも詳細な仕様は明らかにされていないため、Irisではないので、おそらくG1レベルの32EUとなるグラフィックスになるようです。Comet Lake-Sに内蔵されていたGen9の24EUよりもEUの数は多くなっており、性能は向上しています。Intelの説明としては、50%性能が向上する場合があるとのこと。
ただ大きくグラフィックス性能は向上。出力は4Kなら3画面まで出力に対応。2画面までですが5Kの出力に対応します。インターフェイスとしては、Display Port 1.4aと、HDMI 2.0bを新たにサポート。4K60FPSの出力にも対応します。
ハードウェアエンコーダ
Rocket Lake-Sのハードウェアエンコーダでは、12bit/4:4:4のHEVCとVP9に対応、12bit/4:2:0のAV1のサポートが新たに付け加えられています。
接続
接続としては新たに、PCI Express 4.0に対応。CPU自体には16+4の20レーンついています。M.2 SSD用とGPU用として捉えるのが良さそうですね。
チップセット
チップセットは、Intel 500シリーズになります。こちらも大きくアップデートされている模様。情報では、LGA1200ソケットで、Rocket Lake-S自体は400シリーズに対応するはずです。
Intel 500シリーズは、20Gbpsの転送速度をもつUSB 3.2 Gen 2x2に対応したコントローラが含まれていますが、LPCやeMMC、SDXCなどのレガシーインターフェースのサポートは取り除かれました。詳しい情報はまだ明らかにされていません。
Rocket Lake-Sの製品が登場するのは、2021年の第1四半期とのこと。
Source:PC Watch,VideoCardz