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GeForceの「Lite Hash Rate」が完全に突破され、マイニングでGPUのフルパワーで利用可能になってしまう 〜 ただしGPU高騰化の波は訪れないとみる

錦です。

NVIDIAGeForceに向けて搭載している「Lite Hash Rate」が完全に突破された事がわかりました。

Lite Hash Rate

NVIDIAは、世界的な半導体不足と、暗号通貨の高騰によるマイニングブームによって、流通量が少ない上、流通分の多くをマイナーが買い占め、GeForceの本来のターゲットであるゲーマーに届かないことを問題視し、昨年2月に発売されたGeForce RTX 3060にハードウェアとBIOSをベースとするマイニング防止機能を搭載しました。しかし、その後NVIDIAのミスにより、その制限を突破できるBIOSが公開されてしまいあまり効果がありませんでした。

その後、昨年夏頃、新たに市場に流通するRTX 3090を除く*1GeForce RTX 30番台に「Lite Hash Rate」と名付けられた強力なマイニング制限を搭載しました。この制限では、マイニングのアルゴリズムを検出し、ハッシュレートを本来の半分程度にするというものです。

この制限はその後、昨年8月にリリースされた「NBMiner」と呼ばれるマイニングソフトウェアで部分的に突破され、GPU自体の性能の70%までハッシュレートを向上させました。

そして今回はそれが100%になったということです。

NiceHash

今回、突破したのは「NiceHash QuickMiner」というもの。このソフトウェアは、前述のNBMinerの開発者が携わっている云わばNBMinerの後継となるものです。

Benchmark.plの検証によると、RTX 3080 Tiで本来85MH/s程度だったハッシュレートが、117MH/sまで向上しているとのこと。これは、RTX 3090に肉薄する性能であり、同じコアを採用するRTX 3080 Tiのマイニング制限が突破されていることがわかります。

ただし、直近リリースのRTX 3050とRTX 3080 12GB版には対応しておらず、これらのGPUは新しい別のLHRアルゴリズムが採用されている可能性があります(個人的にちょっと気になる部分)。

GPU価格高騰はない?

今回のこれは、LHRが無力化した可能性があるということですが、正直GPUがこれを要因にまた高騰化するとは考えづらいです。

理由は、最近何度か話題に出しているETH 2.0でGPU性能に左右されないProof of Stakeに移行されます。また、以前のようにイーサリアムの価値が跳ね上がるとは考えにくく、GPUを大量買いするに至るまでの利益が出ない可能性が高いです。

ただ、ここらへんは各国の政府(今後は特に米国)の政策による部分も大きいので、こうとは言い切れませんが。

あと、日本では単純に円安の影響で高騰化する可能性はあります。

関連リンク

*1:RTX 3090は製品自体の価格や消費電力が高かったため、マイニングで初期投資や運用コストを回収できない可能性が高く、マイニング用途に適さなかったため除外されたと見られる