錦です。
Intelは、モバイル向けブランドの再編を行い「Celeron」と「Pentium」のブランドを新しい「Intel Processor」ブランドで置き換え、廃止することを発表しました。
PentiumとCeleron
PentiumとCeleronは、Core i3よりも下位のエントリグレードのCPUにつけられるブランドで、そのグレードの中で更にPentiumが上位、Celeronが下位と分けられます。基本的には本体価格が5万円以下のような低価格PCやネットブックの系統を組むPC、最近であればChromebookやGIGAスクール構想の推奨PCとして導入されることがありました。
Pentiumには「Pentium Gold」「Pentium Silver」、Celeronにはブランドがありませんがそれぞれ2系統存在しています。「Pentium Gold」と「Celeron」のN/JがつかないモデルはCore系統のアーキテクチャを採用し、Core i3からそのままコアやクロック、キャッシュなどの仕様を劣化させたものになります。一方で「Pentium Silver」と「Celeron」のN/Jは、旧Atom系統のアーキテクチャをメインに採用しており、命令セットやIPC(クロックあたりの性能)が大幅にCore系統やPentium Goldと劣化しています。
最新世代でいうと、Pentium Goldと上位Cleronは「Alder Lake」に基づきメインとなるコアにCoreシリーズと同じ「Golden Cove」を採用*1していますが、Pentium Silverと下位Cleronの最新ラインナップ「Jasper Lake」は省電力低性能の「Tremont」を採用しており、その仕様はGolden Coveや前世代Cypress Coveと比較しても劣っています。
ただ、PentiumやCeleronではなく、Coreの名前を冠したPentium Silver/下位Celeron製品もありました。それが「Lakefield」で、このラインナップではIntel Hybrid Technologyにより「Sunny Cove」という第10世代Coreに採用されたコアが1コアだけ採用され、4コアのTremontを採用していました。
Intel Processor
Intelは2023年に投入するノートブック製品において「Celeron」と「Pentium」を置き換え「Intel Processor」という新しいブランドで展開されます。
2023年投入の製品とはおそらくRaptor LakeまたはMeteor Lakeであると見られますが、並行してGracemontを採用したAtom系統のプロセッサが登場する可能性があり、現時点でPentiumとCeleronがIntel Processorブランド下でどう分類されるかは不明です。また、どのように命名されるかも不明です(「Intel N7000」とかになるのかな?)。
ちなみに、同一視するべきではないですがAMDも2023年からモバイル向けAPUにおいて命名方式の変更を発表しています。
AMD、Ryzen 7000番台 モバイル向けRyzenのラインナップについて解説 〜 新命名方式を採用することを発表し「Zen 2」ベースの製品も - Nishiki-Hub