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「Apple A16 Bionic」のメモリにはLPDDR5が採用 〜 5Gモデムは「Snapdragon X65」・チップサイズはやや小さく

錦です。

iPhone 14シリーズが発表されましたが、中国WekiHomeがYouTube各製品の分解動画を投稿しています。この記事では私が気になったチップ・メモリ・モデムチップに絞ってお話します。

メモリはLPDDR5

Apple A16 Bionic」は過去のApple Aシリーズ同様にメモリとチップが積層された形となっていました。搭載されているメモリはSamsung製の「K3LK2K20CM-EGCP」。ググっても何も出てこなかったので、未発表の製品でしょう(いつもどおりです)。

Appleが1.5倍の帯域と話していたのでなんとなく予想はついていましたね。LPDDR4Xは4266MHzで駆動していたことが予想されますので、単純にクロックを1.5倍にしたときにちょうどLPDDR5-6400がぶち当たるので、Apple A16 Bionicには6400MHz駆動のメモリが採用されていると見られます。

そして、Apple SoCのメモリインターフェイスiPhone向けは64bitだったことから、6.4 x 8で計算上51.2GB/sの帯域であると考えられます。Apple A15も64bitであると考えると、帯域も1.5倍なのでAppleの発表通りですね。

ここ数世代のメモリの仕様をまとめました。

  メモリ クロック バス 計算上帯域 容量
Apple A15 LPDDR4x 4266MHz 64bit 34.128GB/s 3GB/4GB/6GB
Apple A16 LPDDR5 6400MHz 64bit 51.2GB/s 6GB
Apple M1 LPDDR4x 4266MHz 128bit 68.256GB/s 8GB/16GB
Apple M1 Pro LPDDR5 6400MHz 256bit 204.8GB/s 16GB/32GB
Apple M1 Max LPDDR5 6400MHz 512bit 409.6GB/s 32GB/64GB
Apple M1 Ultra LPDDR5 6400MHz 1024bit 819.2GB/s 64GB/128GB
Apple M2 LPDDR5 6400MHz 128bit 102.4GB/s 8GB/16GB/24GB

チップサイズ

出典:WekiHome

チップサイズは、Apple A15 Bionicと比較してやや小さくなった様に見えます。

世代 トランジスタ
(億基)
前世代からの
増加率
A11 43
A12 69 60%
A13 85 23%
A14 118 39%
A15 150 27%
A16 160 7%

こちらは過去数世代のトランジスタ数の変遷です。A16のトランジスタ数は160億基で、A15の150億から増加したものの、増加率はわずか7%にとどまり、これはApple A8からA9への増加率を除くと過去最小の伸び率です。正直、N5からN5Pへの移行とちょっとのチップサイズの肥大化で32億もトランジスタ詰め込んだA15がエグいと思うんですけど、N5Pから4nm(おそらくN4P)は同世代なのでそこまで詰め込めなかったんでしょうか。

ただ、チップサイズが小さくなり、トランジスタ数が小幅ながら増加したということはトランジスタ密度が上がったことを意味しています。これは微細化の恩恵です。

モデムにはSnapdragon X65

モデムチップにはQualcommのSnapdragon X65が採用されました。こちらも4nmで製造されるチップですが、TSMCではなくSamsung の4nm。

最大帯域が10Gbpsに達しますが、iPhoneでそれを実現できるかは不明です。少なくとも米国でしかミリ波が使えませんし、Sub6の国内最速がdocomoのCA使って4.1Gbpsだった気がするのでだいたい最大3Gbpsが限度なんじゃないでしょうか。

ちなみに、最新のチップはX70ですが、iPhoneはなぜか毎年一世代前のモデムチップになります。なんででしょうね。

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