錦です。
GIGAZINEによると、RISC-V InternationalとDeepComputing、Xcalibyteは、Alibaba T-Headが開発する「TH1520」を採用した「DC-ROMA」というラップトップを発表した事がわかりました。
RISC-Vベースのラップトップ
RISC-Vというのはオープンソースで開発されている命令セットです。IntelやAMDであれば「x86」、AppleやQualcommなどArm系では「Arm」というのが命令セットに当たります。そのRISC-VをベースにしているのがAlibabaの「TH1520」です。TH1520には最大2.5GHzで駆動する4コアの「Xuantie C910」CPUに加えて、4TOPの性能を持つNPU、内蔵グラフィック(Imagination製?)、4266MT/sのDDR4コントローラを内蔵しています。更に、Intelが「SGX」、Armが「TrustZone」として提供しているTrusted Excution Enviroment(TEE)という隔離実行機能も搭載しています。
このTH1520というプロセッサはすでにAlibabaのエコシステムの中で用いられているそうです。
Alibabaは最近RISC-Vに非常に注力している企業の一つで、Intelが投資を発表したり、Appleの採用が噂されるなどしているRISC-Vについて、今年8月にRISC-Vベースの開発者キットを発表したり、実際に開発プラットフォームを提供するなどしており、大手企業だと大々的に実際の製品やサービスを提供している唯一の企業ではないでしょうか。
そして「DC-ROMA」はこのTH1520をプロセッサとして採用したラップトップであり、RISC-Vベースの世界初の本格的なラップトップと言えます。ROMAはTH1520プロセッサの他、16GBメモリ(DDR4-4266)、256GB SSD、14.1インチ1080pディスプレイ、USB 3ポートを搭載しています。
OSにはLinuxを採用しています。LinuxではRISC-Vのサポートを結構前から行っており、最適なOSといえます。
つまり、クローズドな部分もあるとは言え、一般的なノート(特にApple Silicon MacBook)と比べるとかなりオープンと言えますね。
入手
DC-ROMAを実際に入手することは可能なよう。というか予約未定で、3年間のSoCアップデートがついたPremiumモデルが4,999ドル(約72.8万円)、ついでのStandardモデルが2,499ドル(約36.2万円)、Basicモデルが1,499ドル(21.8万円)となっています。