AMDはRadeon向けに「Radeon Software Adrenalin 24.1.1」を配信しました。このアップデートには、AFMFのサポートを含むドライバアップデートが含まれています。
注目スべきAFMF
今回のアップデートの目玉となっているのが「AMD Fluid Motion Frames」(AFMF)技術です。以前からプレビュー機能として提供されていましたが、今回は正式にリリースとなりました。
AFMFは、フレームレートを向上させるための技術で、具体的にフレーム補間によってフレームレートの向上を目指します。以前、超解像度技術が利用されている理由として、解像度とフレームレートのどちらかをそのままに、もう片方を向上させる技術であることをお話しました。フレーム補間は超解像度とは異なり、フレームレートを向上させることしかできません。つまり、画質とは無関係であることには注意が必要です。
AFMFは、フレーム補間によってフレームレートを大幅に向上させることがわかっています。昨日23時解禁となったRX 7600 XTのPC Watchによるレビューを見ると、Apex LegendsのフルHDでは、AFMFなしで217 FPSだったものがAFMFを有効にすることで338 FPSにまで向上しました。4KでもAFMF無効時89.6 FPSから有効時121.3 FPSとなっています。
で、どうやら、このAFMF、垂直同期を突破するみたいで。Forza Horizon 5で4K60Hzのディスプレイに対して、垂直同期した状態のFPSが80弱と。多分、ゲームが出力したフレームの後にフレーム補完の処理をしている模様で、ゲーム内でのフレームレート制限が効かない欠点がありますね。これは設計上仕方ないのかも。
あと、ディスプレイが60Hzだと、それに合わせてフレーム補完してるかもしれません。100 FPS以上のときにAFMFを有効にすると90くらいまで下がりました。もう少し、検証が必要かも。
【追記】多分これ、ゲーム内のフレームレート表示とGPUによるフレームレート表示が違うので、ゲームのFPS表示がアテにならない説を推します。あと、このバージョンに上げてからベンチマーク測ったあとのFH5が起動中に固まるようになった。
一応、AMDの公称では、フルHD時に最大97%のフレームレート向上が達成できるらしいです。まだしっかりと試せてないので、これからじっくり試してみようと思います。
利用できるGPUは、最新世代のRX 7000シリーズとRX 6000シリーズ、Radeon 700シリーズ(Ryzen 7000以降の内蔵GPU)です。
基本的に対応ゲームというものはなく、DirectX 11/12で動いてればOKみたいです。競合となるのはNVIDIAのDLSS 3ですが、こちらはゲームの対応もいる上、最新世代(RTX 40)に限られているという欠点がありますが、AFMFはそれがありません。
ブラウザ内の動画のアップスケーリング
そして、超解像度の部分では、RX 7000シリーズに限られるものの、Chrome(chrome://flags)とEdge(edge://flags)で「Media Foundation for Clear」を有効にし、Adrenalineの設定(グラフィックスタブ)でAMD Video Upscalingを有効にすると、ブラウザ内の動画のアップスケーリングが有効になります。
これは、DLSSがすでに提供している機能にはなるものの、Radeonにもついに来ました。
その他の変更
今回のアップデートではこれ以外にも、今週金曜日発売の「龍が如く8」と「鉄拳8」にそれぞれ対応する他、24日に解禁されたRadeon RX 7600 XTのサポートが含まれています。