錦です。
昨夜投稿した「【編集後記】Samsungがイヤフォンジャックを廃止したのはなぜなのか?」の続編的な感じです。
iPod touch
近年のハイエンドスマートフォンにはもう搭載されなくなってきている「イヤフォンジャック」の話をしました。
Appleは特に、iPhoneのみならず、全く新しいデザインのiPad Proにもイヤフォンジャック廃止の道を選びました。しかし、iPod touch 第7世代(2019)にはあります。なぜでしょう。
iPod touchの立ち位置
そもそも、iPod touchはなんのためにあるのかという疑問が前々からあり、この第7世代でそれが解決した形になりました。
その疑問というのは、iPhoneからセルラー機能を抜いて何になるのか。ということ。確かに、廉価モデル・iPodとしての後継としてもいいのですが、iPod touchにiOSを搭載している時点で、それはiPhoneと同等の機能を持つことになるのは間違いないんです。Appleはそれをわかっていたはずです。というか、iPod touch 第5世代あたりから急に「性能」をアピールしています。iPod touchでできることはすべてiPhoneでもできる。音楽も聞ける。のになぜあったのかという疑問点。iPodシリーズを引き継ぐためにiPod touchを更新し続けていく、名前だけ残していくのではないかと思っていました。それならば、iPod Nanoとか、iPod Shuffleを残せばいいのではないかとも思いました。確かに、スマートフォンで音楽を聞くようになった=タッチ画面インターフェイスを持つ音楽プレイヤーという点では戦力になっていたかもしれませんが。
しかし、第6世代が登場した2015年以降、第7世代が登場する2019年までの間に周りの環境が大きく変わりました。
それはiPhoneのイヤフォンジャック廃止とApple Musicです。iPhoneはもともと、iPodと携帯電話とインターネットを見れる(iモード的な)を持ち合わせたスマートフォンとしてスティーブ・ジョブズ元CEOが発表しました。iPhoneを支える柱の内一つは音楽であるということです。しかし、iPhone 7でイヤフォンジャックはなくなり、ワイヤレルの道へと進みました。これは、iPhoneが時代の先端を走るためだと考えています。いま世界的には「コードレス化」「ワイヤレス化」が進んでおり、有線よりも無線のほうが速いということもしばしば。この波に乗ってiPhoneも「音楽を聞くこと」をワイヤレス化したと考えます。
しかし、未だに有線イヤフォンは根強いシェアを持ちます。もちろんこれが0になることはありません。Apple Musicを提供しているAppleとして、イヤフォンジャックを搭載したポケットサイズの端末を用意したいと考えたのでしょう。そしてそれは、iPhoneのようなワイヤレスイヤフォンを一緒に買うような高額デバイス向けではなく、手軽に「携帯電話」と身構えることなく「音楽プレイヤー」として手にとってもらえるiPod touchにはそのままイヤフォンジャックを搭載しようと考えさせたのではないかと考えます。
そして、Appleがウェアラブルデバイスのコードレス化をすすめる中で、ただ唯一イヤフォンジャックを搭載したiPod touch 第7世代が登場したというわけです。
端的に言うと、AppleはApple Musicなどの音楽を元祖の方法(イヤフォン)で聞くためにイヤフォンジャックを搭載したiPod touchをアップデートした。そして、iPod touchは最新のテクノロジーを搭載しない「マルチメディアプレイヤー」としてiPhoneと差をつけられたということで「なぜiPot touchにイヤフォンジャックが搭載されるのか」と「iPod touchの立ち位置とは」という2つの疑問が一気に解決されるわけです。
あくまで個人の意見ですがね。