錦です。
大阪の中央部を横切るOsaka Metro 中央線。コスモスクエアや大阪港、弁天町といったベイエリアから、本町や森ノ宮といった大阪の中心部を横切り、近鉄けいはんな線に乗り入れ石切や生駒、学研奈良登美ヶ丘方面へ抜けていく、大阪最大の東西軸です。
この路線には延伸計画があります。西にも東にもです。
西の延伸
西の延伸とは、コスモスクエアから夢洲へ延伸する計画です。夢洲は2025年の関西万博の会場で、万博閉幕後は、実現すればIR統合型リゾートが設置されます。中央線の大きな特徴は、Osaka Metro 全線と乗り換えすることができる他、JR大阪環状線、堺筋線経由で阪急京都本線、阪神なんば線など、多くの私鉄とも乗換駅があります。
そうした中で、中央線が夢洲に延伸し、IR統合型リゾートが実現すれば大きな利点になります。
ただ、夢洲延伸についてはもっと大きな延伸計画があります。大阪の西海岸沿いに伸びる鉄道路線は中央線だけではありません。JR桜島線も延伸する計画があります。このJR桜島線は、大阪環状線から西九条駅で分岐し桜島駅に向かう路線です。途中でUSJ最寄りのユニバーサルシティ駅にも停車する路線です。この延伸計画は、桜島駅から夢洲まで延伸するというものです。この話には、中央線に乗り入れるという話があったりなかったりします。ただ、中央線は750V第三軌条方式での集電で標準軌なのに対して、JR路線は1500V架空電線方式での集電で狭軌とそれぞれ規格が異なり、乗り入れは難しいと思われます。
東の延伸
東の延伸は、直接中央線が延伸するわけではなく、乗り入れ先の近鉄けいはんな線の延伸計画です。
近鉄は、バッテリーを搭載し、近鉄奈良線に乗り入れることができる車両、あるいは第三軌条・架空電線の両方の集電方式に対応した車両(ハイブリット車両)の開発を依頼しているという情報があり、生駒駅から、近鉄奈良線に乗り入れ、奈良まで直通する延伸案があります。実際に実現するのは先の話になるかもしれませんが、実現すれば、大阪のみならず阪奈間の交通に変革をもたらすことになります。その上、この計画が成立すれば、近鉄は近鉄奈良から夢洲まで特急電車を走らせることも視野に入れています。そうなると、料金システムが大変なことになりそうですが。
延伸の話というのは、学研奈良登美ヶ丘から先の話です。そもそも、けいはんな線は、京都・大阪・奈良間の交通ということで、けいはんな線には京都に延伸する計画自体は存在します。けいはんな線の延伸計画には、近鉄京都線の新祝園駅または高の原駅のどちらかに延伸するという計画があります。新祝園駅に延伸すれば、京都市街地ではありませんが、京都府内には入ることになります。しかし、高の原駅への接続が視野に入っていることというのには理由があります。それはリニア中央新幹線計画です。リニア中央新幹線は、名古屋-新大阪間で、奈良を通る計画があります。奈良県内でも大和郡山・奈良市街地などいろいろな計画が存在しますが、その一つに高の原に停車するという計画があります。もし、高の原駅に駅ができる場合、けいはんな線は高の原駅に延伸する可能性が高まります。
どちらの駅も近鉄京都線に接続するという点では、奈良線に接続するときに用いられるであろうハイブリット車両や、蓄電池車両を用いれば、京都線に乗り入れて京都まで行くことが可能です。もしそうなれば、コスモスクエア(夢洲)-大阪市街地-高の原or新祝園-京都で新たな京都へのルートが完成することができます。ただ、Osaka Metro 中央線・近鉄けいはんな線・近鉄京都線・京都市営地下鉄烏丸線を介するため、Osaka Metro・近鉄・京都市営地下鉄の三社の路線に乗り入れることになります。高くなりそう。需要あるのか?ただ、真の意味でのけいはんな線はこれで実現することは可能でしょう。
優等列車
さて、特に東の延伸計画については、距離が相当長くなるため、近鉄特急の乗り入れを視野に入れる必要がありそうです。特に、奈良までの直通については、既存のJR大和路線・近鉄奈良線含めて最も短い路線で、需要もそれなりにあると見られるため、特急の需要がありそうです。
ただ、特急を走らせるには色々問題があります。近鉄の特急は、特急料金が必要で、Osaka Metroでどう処理するのか。という問題と、退避に関する問題です。
前者はまだシステムの改修のみですみますが、後者は大幅な工事が必要な案件になります。中央線内は各駅停車にするのか、一部の駅に待避線を作るのか。けいはんな線内のみに待避線を作るのか。それはわかりません。
正直、実現するかもわからない構想ですので期待だけ・・・。