Nishiki-Hub

国内外のPC/PCパーツ/スマホ/Appleなどの最新情報を取り上げています

宇宙ステーション向けのOS「Space Station OS」がオープンソースで公開される ~ ROS2がベース

3行まとめ

今回はやや毛色が違う記事。スペースデータは宇宙ステーション向けのOS「Space Station OS」を公開しました。

Space Station OS

Space Station OSは、オープンソースで開発されることになる宇宙ステーション向けの実質的にはソフトウェア基盤となります。Robots Operating System 2(ROS2)がベースとなっています。

近年、ハードウェアはソフトウェア制御を前提として開発する「ソフトウェア定義」のアプローチが採用されていますが、宇宙ステーションにもこのアプローチを採用しようという目標があるようです。これによって、柔軟かつ拡張性の高い製品や開発を実現するとしています。特に、宇宙ではハードウェアの交換が難しいため、ソフトウェアを通じて機能の追加や変更を可能にすることにより、宇宙ステーションの運用が柔軟になります。

このSpace Station OSが提供するのは、シミュレータや熱制御、姿勢制御・起動変換、電力供給・制御、通信、生命維持、有人宇宙船・輸送船ポートなどを制御・管理するといった、ROS2由来の最低限の制御システムと、各国や各企業が開発した機器に対する標準化されたインターフェイスを提供するとしています。

これによって、宇宙ステーションの開発と運用が柔軟かつ持続可能なものになり、将来の技術革新にも対応可能だとしています。

Space Station OSは宇宙開発の民主化もミッションに掲げられており、オープンソースで開発される世界初の大規模な宇宙開発基盤でもあるとしています。Space Station OSのコードはGitHubで公開されており、誰でも開発に参加する事が可能です。

スペースデータは今後訪れる国際宇宙ステーションの退役を見据え、NASAが支援する民間企業による宇宙ステーションの設計・開発などもあり、2030年代には複数の民間宇宙ステーションが地球軌道上で運用される可能性を指摘しており、こういったときに異なる企業や国家が開発する宇宙ステーション間での相互運用性を確保するため、共通動作するソフトウェアの開発をオープンソースとして推進するとしています。

このリリースに対しては、JAXA「きぼう」の日本実験棟開発責任者である長谷川義幸氏や、三菱重工業の「きぼう」管制システム開発責任者である竹内芳樹氏など、日本における宇宙開発・研究の第一人者のコメントが寄せられており、注目が集まっています。

関連リンク