錦です。
ケータイWatchによると、楽天モバイルが日本のほとんどのエリアでKDDIのローミングを終了する計画を発表しました。
KDDIのローミング
KDDI au/ソフトバンク/NTT docomoがすでにエリアを全国に展開しているのに対して、楽天モバイルはMVNOからMNOに変わった関係で1から基地局を整備する必要がある中で、ある程度、楽天のエリアが広がり安定した回線になるまで、楽天エリア外でKDDIの回線をローミングするという対応をとっています。
楽天モバイルの契約では、楽天モバイルエリアで楽天モバイルの回線に接続した場合の通信容量は無限ということになっていますが、KDDI回線に接続したものは合計で5GBの通信制限があります(超過後は1Mbpsの通信制限)。
楽天オンリー
楽天モバイルは、KDDIローミングを早期の段階で終了したいと考えていることは間違いありません。実際、楽天モバイルはKDDIにローミング費用を1GBあたり税込約512円を支払っている状態で、新規契約の速度を抑えているそう。
その中で、すでにある程度の人口カバー率がある、あるいは達成する見込みがある39都道府県を対象に2021年10月1日から順次ローミングを停止し原則楽天回線に切り替えます。原則というのは、大規模なビルや商業施設など、屋外の電波がつかみにくい場所では当面ローミングを続けるとのこと。
計画
東京都では2021年春ごろにすでに原則楽天回線に切り替わっています。
大阪府と奈良県では、2020年10月から順次切り替えが始まっており、2023年3月末までに切り替えます。
宮城・埼玉・千葉・神奈川・新潟・静岡・愛知・滋賀・京都・兵庫・広島・愛媛・福岡の各府県では、今年4月から順次切り替えが始まっており、千葉・神奈川については2022年3月までに、埼玉・愛知・滋賀・兵庫については2023年3月までに切り替わる予定です。京都を除いた首都圏・阪神圏・中京圏では2023年3月までに原則楽天オンリーになります。
そのほか、北海道・青森・秋田・福島・茨城・栃木・群馬・富山・石川・福井・長野・岐阜・三重・鳥取・岡山・山口・徳島・香川・佐賀・熊本・大分・宮崎・沖縄の各道県では10月1日から順次切り替えが始まり、茨城・栃木・群馬・富山・石川については2023年3月に原則楽天オンリーになります。
京都・福井・三重を除いた首都圏・阪神圏・中京圏・北陸圏では2023年3月までに原則楽天オンリーになります。
なお、岩手・山形・山梨・和歌山・島根・高知・長崎・鹿児島については当面ローミングを提供するとのことです。
楽天オンリーになるメリット
楽天回線のみになるとどんなメリットがあるのでしょうか。KDDIの回線が受信できなくなるのは不安という方もいるのではないでしょうか。
では、ここで楽天が説明する楽天回線になった場合のメリットを取り上げます。
通信制限がなくなる
まず、最大のメリットとして通信制限がなくなることがメリットとして挙げられます。
前述の通り、KDDIの回線をローミングしていると、KDDI回線で月間5GBの通信容量が削られていきます。楽天の最大のウリである通信無制限が生かされないということになってしまいますし、5GBって他社のプランからしても若干少ないですもんね・・・。
という感じです。
オーバーラップ問題
iPhone X以前のデバイスなど、一部の端末では楽天とKDDIの両方の回線が利用できるエリア(オーバーラップエリア)で楽天ではなくKDDI回線につながってしまい、通信容量を削っていくという問題が発生しているとのこと。
楽天オンリーになれば、この問題が解決されます。
ビルなど
ビルや商業施設、地下などを中心に、楽天のエリアでも屋外の電波が拾えないエリアでは対応が完了していない部分はローミングを当面続けるとしていますが、東京メトロについては約90%の地下区間が楽天エリア内になったとのこと。そうした区間は楽天回線オンリーになるとのこと。
楽天切り替えの対応
楽天エリアはやはりまだ未熟な部分があり、引き続き拡大計画があるとしており、ケータイWatchによる楽天モバイルの矢沢俊介副社長へのインタビューで、楽天基地は現在3万ある状態で、半導体待ちが1万件、用地取得済みが8000か所あるとのいことで、酢で5万局近くの基地がめどがついているとしています。また近い将来に人口カバー率96%を達成できるとしました。
楽天回線がつながりにくい部分については「スピーディー」に対応を行うとのことで、NVMO回線のスマートフォンを貸し出すほか、屋内向けのモバイル基地「Rakuten Case」の設置、一時的な移動局(車載基地局)の出動などの対応を行うと説明しています。