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ミドル帯の第12世代Core「Alder Lake-S」の「Core i5-12400」「Core i3-12300」「Core i3-12100」の話 〜 QS品のベンチマークや消費電力・Core i5-12400には2種類のダイが存在するらしい

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錦です。

ChiphellにCESで発表されると見られるSKUのうち「Core i5-12400」と「Core i3-12300」「Core i3-12100」のサンプル品のレビューが投稿されています。

QS品

今回レビューされているのQS品であり、開発初期〜中期に製造されるES品とは違い製品版にかなり近い(あるいは同じ)仕様と性能を持つサンプルです。

明らかになったのはその仕様とベンチマークです。まずは仕様から見ていきますか。

各仕様

各仕様とはいってもこれまでに登場したものから新たにわかったことというのは大きくはありません。

すでにわかっている内容としては、i5-12400が6C0c/12Tであることと、i3-12300とi3-12100が4C0c/8Tであるということがあります。ただし、今回のリークでは、3つのSKUで唯一判明していないi3-12300のベースクロックが明らかになったわけでもありません。

仕様をまとめました。

CPU
コア数
CPU
Pコア
CPU
Eコア
スレッド数 Pコア
ベース
Pコア
ブースト
L2
キャッシュ
L3
キャッシュ
TDP
i5-12400 6 6 0 12 2.5GHz 4.4GHz 7.5MB 18MB 65W
i3-12300 4 4 0 8 4.4GHz 5MB 12MB 65W
i3-12100 4 4 0 8 3.3GHz 4.3GHz 5MB 12MB 65W

ただ、仕様について何も新しいことがわからなかったというのは嘘になり、i3-12300のL3キャッシュが新たに明らかになりました。

ベンチマーク

ベンチマークのスコアを表にまとめました。

CPU-ZCinebench R20Cinebench R23
シングルマルチシングルマルチシングルマルチ
i5-12400700.25010.66594776168317721
i3-12300701.43491.7664333417268787
i3-12100685.43417.2645327616878569

グラフがVideoCardzにまとめられているのでよろしければご覧ください。だいたいどれくらいなのかというと、Core i3Ryzen 5 5350Gと20%ほどシングルの性能性能が高く、マルチも同様に高くなっています。

Core i5-12400はRyzen 5 5600Xとほぼ同性能を誇っています。おそらく性能が全く同じになる12400Fが2万円程度で登場することを踏まえると、Ryzenよりも高コスパでCPUを手に入れることができるでしょう。

消費電力・温度

AIDA64での消費電力・温度は以下の通りになりました。

最大消費電力(W) 最大温度(℃)
i5-12400 H0 73.1 58
i5-12400 C0 79.2 60
i3-12300 64.1 62
i3-12100 61.2 61
以下参考
i5-12600K 119.8 77
i5-11400 110.95 66
R5 5600X 112.8 86
R3 3100 61.3 68

これはCPUの最大消費電力ではありません。参考値をもとに比較いただければと思いますが、i5-12400の前世代であるi5-11400と比較しても消費電力が30Wも下がっていることがわかります。後でお話しますが、i5-12400には2種類のタイプがあり、H0のほうが11400と比較して40Wも差がありました。

この消費電力の少なさは温度にも影響しており、こちらもCPUでの最大の温度ではなく環境によって変わりますが、前世代や競合に比べて大幅に下がっていることがわかります。特に最大で60℃前後ということは通常時には50℃程度で駆動すると見られることから冷却機構もかなり簡素で済むでしょう。

これらの結果は、電力効率の良さを示しており、Alder Lake-SのGolden Coveのアーキテクチャの更新とプロセスルールの更新が大きく貢献しているものと見られます。

i5-12400のダイ

i5-12400には2つの種類があります。具体的にはH0ステッピングとC0ステッピングの違いです。

以前お伝えしたとおり、これらのダイは共にAlder Lake-Sを構成するダイとなっていて、Alder Lake-Sが採用するIntel Hybrid Technologyに由来する差になっています。

もっと詳細に説明すると、Alder Lake-SにはPコアとEコアと言うArmのbig.LITTLEのような構成を取り、Pコア(高性能コア)はAlder LakeのすべてのSKUが搭載しますが、Eコア(効率コア)については、Alder Lake-Sの一部モデルは搭載しないことがわかっています。そのためダイが2つに分かれており、C0がPコアとEコア両方を物理的に搭載したダイ、H0がEコアを物理的に搭載していないダイとなります。

i5-12400はEコアを搭載しないため、H0ダイが使われると見られていましたが、どうやらEコアをすべて無効にしたC0ダイも使われるようです。これらのダイに性能的な差はありませんが、消費電力のところで触れたとおり、若干の消費電力と温度・熱については差がある様子。また、ダイの大きさも異なっており、H0のほうがC0より小さくなっています。

多分Core i5-12600KでEコアが欠損したモデルがi5-12400として回ってきているのでしょう。そうなれば、ダイとしての耐久力はなかなかのもの。ロックモデルなのでOCはできませんが、C0のi5-12400はちょっと無理のある使い方をしても問題はないんじゃないでしょうか。

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