錦です。
Samsungが先日発表したAMDのRDNA 2 GPUを内蔵する「Exynos 2200」ですが、そのベンチマークスコアが徐々に出てきています。
Exynos 2200
Exynos 2200はSamsungが先日発表した新世代のスマートフォン向けのSoCです。ARM v9アーキテクチャ計8コア(X2 x1,A710 x3,A510 x4)のCPUとAMD製のGPUを搭載することを特徴としています。
今回はそのExynos 2200が内蔵しているGPU「Xclipse 920」についての話です。SamsungはまだこのGPUの仕様を完全には明らかにはしていません。
すでにわかっていることは、XclipseはAMDのRDNA 2 GPUをベースにしており、ハードウェアレイトレーシングなどのRDNA 2の機能が利用可能になっているという点のみです。
仕様
今回のベンチマークでわかった仕様からまずは確認していきます。
Geekbenchの「Compute Unit」はおそらくWGPの数を参照しており、AMD自身の「Compute Unit」とは異なります。RDNA 2のWGPは2つのCUを内蔵していますので、Xclipse 920のCU数は6基、SP数は384CUになります。
クロックは550MHzとなっていますが、多分これは誤認で実際は900MHz〜1GHz程度出ると見られます。
あとは、デバイス名が「gfx1040」となっており、RDNA 2ファミリーの一部を担っているということぐらいでしょうか。それ以外の情報はここからは読み取れませんね。
ベンチマークスコア
Geekbench Browserで検索して出てきたGPUスコアは4つ。OpleCLが1件と残りはVulkanでした。
- 9143(OpenCL)
- 9029(Vulkan)
- 8266(Vulkan)
- 8374(Vulkan)
Androidデバイスで採用されている他のSOCとは比べれるのですが、本命のApple Siliconとの比較は、iOS/iPadOSでテストできる項目がそもそもMetalだけだったので出来ませんでした(Apple A12ZもDTKのデータを参照してできたけどそもそもあれはExynos 2200よりハイエンド向けなので割愛)。
では比較します。今回は、Notebook Checkが比較として使っているSnapdragon 8 Gen 1搭載のOnePlus NE2210のデータを使用します。それぞれ、検索結果に出てきた5つのデータ(5つに満たない場合すべて)の平均をテストに使用します。OnePlus NE2210の比較データに以下のデータを利用します。
SMD 8G1 | Vulkan | OpenCL |
---|---|---|
参考1 | 7502 | 6079 |
参考2 | 6200 | 5475 |
参考3 | 7169 | 5830 |
参考4 | 5792 | 5935 |
参考5 | 7285 | 5848 |
平均 | 6790 | 5833 |
Exynos 2200側は、OpenCLはそのまま、Vulkanは3つの平均8556を使用します。
これで比較してもかなりエグい性能が出ていることがわかりますね。VulkanはSDM 8 Gen 1の1.56倍、OpenCLは1.26倍を発揮しています。
おそらくこの数字は、Appleと比較しても上回ることになるはずです(ただし、APIが違うので調べようにも調べられないわけですが)。