錦です。
AMDが昨年存在を明らかにしたZen 4ですが、Zen 4ベースのEPYC「Genoa」について、エンジニアサンプリングのベンチマークが発見されました。
AMD Corporation Quartz - Geekbench Browser
32コアGenoa
「Genoa」は、現行のEPYC「Milan」の後継で、Zen 4アーキテクチャのCPUを採用するデータセンター向けのCPUです。AMDからその存在は既に明らかにされており、最大96コアになることがわかっています。今回登場したモデルが、32コア64スレッドのモデルです。ミドル程度とみられます。
この個体はエンジニアサンプリング(ES品)なので、クロックがわざと落とされている製品となっている関係上、ベンチマークスコアやクロックに関する部分は参考にはなりませんが、シングルスコアが健闘しているのでこの記事の最後に性能についてお話します。
今回注目すべきは"L2キャッシュ"の部分で、コアあたり1MB搭載されています。現行のZen 3のL2キャッシュはコアあたり0.5MBなので倍増しています。
一応キャッシュつながりで、L3キャッシュにも注目します。といってもこちらはZen 3から総容量は変わらず32MBx4となっているのみです。これはすなわち、32コアGenoaの構成がフルの8コアが有効化されているCCDを4つ搭載していることを意味します。あとわかることは、3D V-Cacheには対応していないということですかね。
性能
今回のスコア、シングル1126となっていることです。クロックはベース1.2GHzであるということです。ブーストは3.4GHzまでクロックが向上することになるにしても、Zen 2ベースで4.5GHzのRyzen Threadripper 3970X(1255)と似通ったスコアを発揮しています。もっと世代を古くすると、1126という数値は、Zen+ベースで4.2GHzの2990WXが1014を上回ります。
この時点でZen 4のIPCの向上の度合いがよく分かる内容となっていますね。