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AMD、Zen 4ベースの「Ryzen 7000」シリーズのデモを実施 〜 Blenderレンダリング速度でCore i9-12900Kを上回る・内蔵GPUも搭載

錦です。

AMDはComputex Taipei 2022の基調講演にて「Ryzen 7000」がデモされました。

Ryzen 7000

Ryzen 7000シリーズは、Ryzen 5000シリーズの後継となるラインナップで、AMDとしては実に2年ぶりとなるCPUの更新です。

マイクロアーキテクチャにZen 4を採用し、プロセスルールも進みます。具体的にはTSMC 5nmを採用します。Zen 4はAMDは5nmで製造される初めてのデスクトップ向けプロセッサコアとしています。

今年後半とされていた登場時期は秋に絞られ、第13世代Raptor Lakeと競合することになります。

あと、今回特筆すべきなのはソケットが変わることです。Ryzen登場以来採用され続けたAM4からAM5に。DDR5のサポートともに変更されます。この点は前回の記事でチップセットとともに詳しくご紹介しておりますので、よろしければごらんください。

強化された点

今回新たに発表された中で強化された点もかなり多いです。

L2キャッシュが倍増

AMDは最近キャッシュに力を入れているというのが見て取れます。「Ryzen 7 5800X3D」は、3D V-Cacheの採用によってCCDあたり96MBという大規模なL3キャッシュを搭載しました。

Ryzen 7000シリーズでは、コアあたりのL2キャッシュが倍増。512KBから1MBになりました。これに加え、アーキテクチャの改善とプロセスの更新によって15%のシングル性能の向上を達成できたとのこと。

現時点でRyzen 7000シリーズにも3D V-Cacheを搭載した5800X3Dの後継となるようなモデルが登場するかどうかは不明ですが、AMDのキャッシュによる性能向上というのは眼を見張るものがあります。

クロックの向上

CESで発表されたZen 3+ベースの「Ryzen 6000」シリーズでは、Ryzenとしては初めて5GHzに達しました。Ryzen 7000でもブーストクロックが5GHz台に達します(AMDとしてはFX 9590以来久々の5GHzデスクトップCPUになりますかね)。

基調講演にて披露されたGhostwire: Tokyoのデモでは、5520MHzに達しており、これがオーバークロックされたものなのかはわかりませんが、実用的に安定して動作する5.5GHzがRyzenで実現するわけです。

ちなみに、AM5ソケットになったことによりTDP 170Wに耐えられるようになりました。クロックの向上もこの部分で耐えることになるのかな。

GPU統合

そして、Ryzenとしては大きなアップデートがあります。ついにCPUにGPUが統合されました。

RyzenにはAPUというGPU内蔵モデルがこれまでもありましたが、APUは最大2つ積めるCCDのうち1つをGPUダイにすることで実現していました。これによってdGPUに至らなくとも比較的規模の大きいGPUを搭載することが可能となっています。

一方で、Ryzen 7000 CPUに搭載されるGPUはI/Oダイに統合されるもので、どれくらいの規模になるかは確認されていません。ただし、GPUダイよりかは小規模になるという見方が多いですかね。

ちなみに、このGPUはRDNA 2に基づいており、具体的な出力は4つの映像出力に対応するとのこと。解像度は不明ですが、フルHDx4とか4Kx2とかなら問題なさそうな感じですかね?

話はまだ出てないけどAV1デコーダあたりもGPUで多分搭載してくるんでしょうね。Ryzen 6000で有効になったレイトレはちょっと微妙ですが(レイトレ非対応GPU積んでも内蔵GPUでレイトレやりますとかいう機能実装されたら面白いのに)。

I/Oダイ

そして、GPUが搭載されるI/Oダイもアップデート。14nmから6nmに微細化され、省電力機能が搭載されました。

サポートされるI/Oも刷新。DDR5とPCIe 5.0に対応しました。メモリはデュアルチャネルをサポートし、PCIe 5.0は最大24レーンサポートされることが明らかになっています。

GPUとI/Oの刷新によってダイは大きくなりそうですが、大幅な微細化で案外どうにかなりそうですかね・・・?

性能

Core i9-12900KとRyzen 7000シリーズのBlenderでのレンダリング速度の比較

AMDは性能について、前述の通り15%のシングル性能の向上と述べています。

その他、競合するIntel Core i9-12900KとのBlenderでのレンダリング速度対決において、最大31%、Ryzen 7000シリーズのほうが高速であるとしています。この部分は、16コア中半分がEコアのIntelと、全部がPコア相当のRyzehでの差といったところでしょうか。

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