錦です。
Intelの超解像度技術「Xe Super Sampling」についての情報です。海外のYouTubeチャンネル「Digital Foundry」が、XeSSの情報を明らかにしています。
Ultra Quality
Intel XeSSの競合となる超解像度技術には、NVIDIAのは「Deep Learning Super Sampling(DLSS)」やAMDの「FidelityFX SuperResolution(FSR)」がありますが、XeSSには、DLSSやFSRには存在しない「Ultra Quality」のオプションが用意されているとのことです(FSRには一応プリセットが用意されているみたいですけど、公式ドキュメントから見つかりませんでした)。
超解像度技術では、GPUが出力したシーンを、ポストエフェクトによる処理で解像度を高めていくという処理を行います。これによって、ユーザーが求める解像度が例えば4Kであったとしても、GPU自体は解像度が4倍小さくなるフルHDで出力し、ポストエフェクトをかけることで4Kとすることができるため、GPU自体のリソースが削減でき、高解像度かつ高フレームレートを実現できるということになります。
基本的に、超解像度技術においてのオプションには「Ultra Performance」「Performance」「Balanced」「Quality」にが用意されています。基本的に、ポストエフェクトによる超解像度技術はあくまで失われたピクセルをアルゴリズムに基づいて復元するものであり、GPU自体が出力するよりも忠実性が落ちてしまいます。なので、性能が高くなる代わりに品質が下がるのが「Performance」、品質が上がる代わりに性能が落ちてしまうのが「Quality」ということになります。
で、XeSSに搭載される可能性がある「Ultra Quality」はQualityよりもGPUの出力解像度を高くし、超解像度処理を使って生成するピクセルの量をへらすというものになります。
こちらの表がDLSS 2.0/FSR 2.0/XeSSの各モードとGPUの出力解像度のグラフです。
XeSSのUltra Qualityでは、4K(3840x2160)の解像度に対して、GPUが出力する解像度は2944x1656となっています。超解像度率は約1.3倍となっています。
面積倍率 (倍率) |
Ultra Performance |
Performance | Balanced | Quality | Ultra Quality |
---|---|---|---|---|---|
DLSS 2.0 | 9.00 (3.00) |
4.00 (2.00) |
2.98 (1.72) |
2.25 (1.50) |
|
FSR 2.0 | 9.00 (3.00) |
4.00 (2.00) |
2.89 (1.70) |
2.25 (1.50) |
|
XeSS | 4.00 (2.00) |
2.94 (1.71) |
2.25 (1.50) |
1.70 (1.30) |
各技術の倍率をまとめました。
他ブランドでも動作
AMDのFSRはRadeonだけでなく、GeForceでも動作するようにできているオープンソースの技術です。一方でNVIDIAのDLSSはGeForce RTXシリーズでしか使うことができません。その代わり、NVIDIAは「NVIDIA Scaling SDK」という技術を提供しており、こちらはGeForce以外のGPUや未対応のゲームでも利用することができます。こちらもFSR同様にオープンソースで提供されています。
そして、XeSSの場合はちょっと特殊です。XeSSには2つのバージョンがあります。一つはXMXによって超解像度処理を実現するバージョン、もう一つはDP4a命令によって超解像度を実現するバージョンです。前者は、Intel GPUに搭載されるXMX(Xe Marix Extension)が必要ですが、後者はDP4a命令に対応していれば動作します。
DP4aはIntel GPUだけがサポートしているわけではなく、AMDやNVIDIAのGPUでもサポートしていますので、こちらのXeSSはRadeonやGeForceでも使えます。このDP4aについては、公式発表の記事で取り上げているのでぜひご覧ください。
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利用できるGPUは、GeForce GTX 1060以上のPascal世代と、GeForce GTX 16/RTX 20以降、Radeon RX 5000以降となっています。FSRよりも対応機種は狭めです。