錦です。
NVIDIAが日本時間昨日、一時的に時価総額が1兆ドルを超えた事がわかりました。
1兆ドル企業
1兆ドル企業とは、時価総額が1兆ドルを超えた(印象が強い)企業の総称で、初めて1兆ドル企業となったAppleや、それに追随したMicrosoft、Google、Amazon、Tesla、Metaのことを指します(この内、Tesla・Metaはすでに1兆ドルを下回っている)。特にAppleは一時3兆ドルに達したことが話題になりました。
1兆ドル企業は、なにかの分野において独占的な立場にあることが多く、AppleはApp StoreやiPhoneで、MicrosoftはクラウドやOS・Surfaceで、Googleはインターネットで、AmazonはECサイトやクラウドで独占的地位あるいは寡占的な地位を保っています。
現在の時価総額ランキングはApple、Microsoft、Saudi Aramco、Alphabet(Google)、Amazon、NVIDIAとなっています。
NVIDIA
NVIDIAは、米国カルフォルニア州サンタクララに本社を置く半導体を主軸とした企業です。ゲーミングGPU「GeForce」や、プロ向けGPU「NVIDIA GPU(旧Quadro)」、そしてスーパーコンピューターなどにも用いられる「NVIDIA A/Hシリーズ(旧Tesla)」の他、近年はAIに積極的な投資を行っており、OpenAIなどが提供するジェネレーティブAIの基礎技術を提供しています。
評価されているのはAI分野であり、AIの自然言語学習モデル「Transformer」に特化した「Transformer Engine」や、機械学習のためのアクセラレータ「Tensor Core」が評価されています。昨年から続くジェネレーティブAIのブームにおいてNVIDIAは業界での存在感を増しています。
最近であれば、Armが提供する「Neoverse V2」CPUを72基、そして同社のフラグシップGPGPU「NVIDIA H100」を同一パッケージに収めた「NVIDIA GH200 Grace Hopper Superchip」を披露、それを用いて1EFLOPSのAI性能を発揮するとのこと。この1EFLOPSという数字は、データによるものの富岳の2倍という計算になるそう。第3次AIブームが続く中でこの発表は世界に衝撃を与えました。
懸念点
NVIDIAはArmの買収を日本・英国・米国・中国の当局によって阻止されており、それに伴い若干の影響を受けています。
更に、NVIDIAの技術は軍事に悪用される懸念があり、中国との取引が米国当局によって制限されています。今後の情報には注意が必要です。