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NVIDIA CPU+GPUの「NVIDIA GH200」を搭載したデスクトップPCが登場

3行まとめ

GPTshop.aiが、NVIDIAのCPU「Grace」とGPU「Hopper」で構成されている「GH200」を搭載したワークステーションを発表しました。なんか、最近サーバー向けCPUをラップトップに格納したり、デスクトップに格納したりっていう、とんでもない製品が多くて楽しいです。

製品

製品名は「GH200 Tower」になるのかな?正確な言及がないので、ちょっとこの記事ではぼやかしますが、多分「GH200 Desktop」か「GH200 Tower」であると見られます。

CPU / GPU / RAM

この製品最大の特徴は、プロセッサに「Grace Hopper Superchip」こと「NVIDIA GH200」を採用している点です。GH200はNVIDIA製のCPU/GPUで、CPUがArm Neoverse V2を72基、GPUがHopperベースのH100を搭載しています。CPUとGPU間は900GB/sのNVLinkインターコネクトで接続されています。さらに、メモリも統合されており、メインメモリは480GBのLPDDR5X、ビデオメモリは96GB HBM3あるいは、144GB HBM3eとなっています。この製品では、HBM3版とHBM3e版のどちらかを選択できるようになっています。

メモリについては、480GBと競合が2TBのメモリを搭載できるのに対して少ないような気もしますが、今回特に注目してほしいのはどちらかというとGPUの方で、フルのH100をデスクトップに搭載できるマシンもかなり限られています(H100にもPCIe版があるため理屈ではデスクトップに搭載できますが、PCIe版のH100は若干性能が劣化しています)。

ただ、576GBあるいは624GBのメモリを別途搭載しているようにも見えます。このメモリについては詳細が語られておらず、480GBに追加される形で利用できるのか、それともGrace CPU側のメモリと、このメモリのどちらかを選択する形になるのかは不明。

性能については、GPU性能はH100と一致し、CPUについてはx86の最大284倍高速であるとしています。特に、CPUが72コアであることから、これだけで大多数のCPUを上回ります。gptshop.aiは、世界最強のArmデスクトップであるとしています。

主な用途はやはり、AIのトレーニングとなるでしょう。AIの研究や、AIに限らずシミュレーションなどに活用できるでしょう。

筐体

筐体は金属製あるいは、一部ガラス製となっており、選択できるようになっています。サイズは244 x 567 x 523 mmあるいは255 x 565 x 530 mmとなっており、一般的なタワー型デスクトップより若干大きいくらいでしょう。

カラーは金属製なら、チタングレー・シャンパンゴールド、ガラス製なら白・黒・緑・ターコイズから選択できるようになっています。

重量は30kgで、筐体自体には2010年頃のMac Proのような取手が備えられており、持ち運びが可能であるとしています。特に今回、通常GH200が運用されるラックマウントのサーバーよりも優れていることをアピールされており、モバイル性はかなり力が入れられているように感じます。もちろん、ラップトップのように簡単に持ち運べるわけではありませんが、この世にはiMacやら大きめのデスクトップPCを持ち運ぶ怖い人もいるので、それと同じ感覚でGH200を持ち運べると考えたらやばいです。

冷却

冷却機構は、空冷あるいは水冷を選択可能です。

ファンにはNoctua製のものを使用しています。

ストレージ

ストレージは内部にPCIe 4.0あるいはPCIe 5.0接続のSSDが数基搭載可能となっています。

2基のM.2 22100を搭載している他、PCIe 4.0 2x/4x/8xのNVMeスロットもサポートしています。

デフォルトでは、Corsair Force Series MP600 Pro XT(8TB M.2)を最大2基、Micron 7450 PRO(8TB E1.S)を最大8基、Micron 6500 ION(30TB U.3)を最大2基搭載可能です。

拡張ボード

拡張ボードも搭載可能で、FHFL(フルサイズのカード)に対応した2基あるいは3基のPCIe 5.0 x16スロットがあります。

購入時にASUS Dual GeForce RTX 4060 OC 8GBをグラフィックボードとして選択可能です。これは映像出力補助用のGPUでしょう(にしては性能良すぎる気がするけど)。

また購入時にUSBポート増設も可能です。

外部コネクト

2基のRJ45 10Gbイーサネットと1基のRJ45 IPMIが搭載されている他、最大4基のUSB 3.0がデフォルトで搭載されています。

映像出力はminiDPが搭載されています。

電源

おそらく、日本では工事しないとこの製品は使えないです。理由は至極単純で、2000Wあるいは2400W電源が2基搭載されているためですね。てか、これ世界的に見ても耐えれる電源設備自宅にないでしょ・・・。

やはり、フォームファクタがいくらデスクトップでも、内部構成がサーバーなので仕方の無いことなのかもしれませんね。

OS

OSはUbuntu Server。基本的には、ワークステーションでありながら、エッジ(?)サーバーとしての利用が主軸になるのかな?

価格

価格は、47500ユーロから。本稿執筆時点でのレートで764万5,500円程度。ひぃ。

もちろん、これを日本から買うと輸入になりますのでもっと高くなりますよ。ただ、H100を搭載したタワーを求めている方からしたらいい選択になるかもしれません。そもそもH100単体が日本で買っても500万〜600万くらいしたはずですから。

ちなみに、日本ではさくらインターネットがH100を提供する高火力サーバーを提供していますが、GH200を提供している事業者はいません。

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