Appleは、先ほど「Apple M4」を発表しました。
Apple M4
「Apple M4」はApple M3の実質的な後継のSoCとなります。
製造プロセスは第2世代3nmとしており、恐らくTSMC N3Eとなっています。トランジスタ数は280億基で、M3から30億基増加しています。今回の増加分の多くはNeural Engineの性能向上に振られてるはずです。
CPU
CPUは、4コアの高性能コアと、6コアの高効率コアで構成された10コアとなっています。CPUには次世代の機械学習アクセラレータが搭載されています。また、Appleは文字で分岐予測の改善も行っているとしています。
高性能コアには幅広いデコードエンジン、高効率コアには深い実行エンジンを備えているとしています。
性能は、M2から1.5倍高速であるとのこと。M2とM3ではCPUの性能向上はほぼありませんので、そのままM3から1.5倍程度高速であると見られます。
GPU
GPUは10コアで、A17 ProやM3で導入された機能が搭載されています。
まず、iPadとして初めてHWレイトレーシングと、HWメッシュシェーディングに対応しました。また、iOS系デバイスで初めて、vRAM領域を動的に調整するDynamic Cachingをサポートしています。
性能はこれによってM2から最大4倍の性能を発揮するとしています。
Neural Engine
今回特筆すべきは、Appleが初めてNeural EngineをNPUと表現したことです。
一番気になっていたNeural Engineの規模は、16コアで変わりませんでしたが、Neural Engineの性能は38 TOPSと2倍以上に向上。
Appleは現時点でWindowsのどのNPUよりも高速であると主張しています。また、Apple A11 BionicのNeural Engineと比較して60倍高速であるとしています。
また、AppleはCPUとGPU、Neural Engineが協調して動作する場合のAI性能を明らかにしていませんが、CPUでは、機械学習用のHWアクセラレータが搭載されており、強調して動作した時により高い性能が得られるとしています。
電力効率
電力効率では、Windows向けのプロセッサと比較して、同じ性能を1/4の消費電力で実現できるとしています。
その他
iPad Proの優れたディスプレイを描画するために、ディスプレイも最適化されているとされています。例えば、iPad Proに搭載されるタンデムOLEDなどに対応します。
また、A17 ProやM3と同様に、AV1のハードウェアアクセラレーションにも対応しています。
メモリ
メモリ帯域幅が120GB/sと20%向上しています。
M2とM3では、6400 MHzの128bitでしたが、M4では若干ことなるようです。可能性としてあるのはメモリクロックを上げた可能性が高いです。
バリアント
M4には、現時点で2種類のバリアントがあることがわかっています。
CPU | GPU | NPU |
---|---|---|
3P6E | 10 | 16 |
4P6E | 10 | 16 |
珍しく、GPUのコア数にバリアントがなく、このグレードとして初めてCPUの増減によるバリアントが派生することになりました。