Qualcommは、Microsoft Buildに合わせて「Snapdragon Dev Kit for Windows」を発表しました。
Snapdragon Dev Kit for Windows
「Snapdragon Dev Kit for Windows」は、Qualcommが提供するSnapdragon搭載の開発環境です。
Snapdragonは、これまでWindowsで中心となっていたIntelやAMDのプロセッサのx86 ISAとは異なり、ARM ISAがベースとなっているため、多くのアプリはネイティブで対応していません。そこで、アプリ開発者にアプリケーションのARMへの移植を推し進めるために昨年「Windows Dev Kit」をMicrosoftとともにリリースしました。このDev Kitは、ミニPCの形状となっており、ラップトップが中心であり高価だったSnapdragon搭載Windowsデバイスを、安価に提供することで開発者の支援を提供していました。
今回発表された「Snapdragon Dev Kit for Windows」は、最新の「Snapdragon X Elite」を搭載しているのが特徴です。基本的に、従来どおり開発者のARMへの移植をサポートするという役割に加えてAIの開発にも用いることが可能です。
Snapdragon X EliteとSnapdragon X Plusは、Microsoftの次世代AI PC(Copilot+ PC)の要件である40 TOPSに唯一到達しているSoCであり、AI用途での活用が期待されています。
発売と価格
米国ではすでに予約が開始されており、6月18日に発売されます。価格は899.99ドル(約14万500円)。日本での発売や価格は不明です。
AIソフト
また、今回の発表に合わせてQualcommは、Androidに向けて提供していたQualcomm AI Hubを、Windowsに向けても提供することを明らかにしました。このQualcomm AI Hubは、AIのソフトウェア開発環境となっており、オープンソースの生成AIモデルなどがSnapdragonに最適化された形で提供されます。
PyTorchやTensorFlow、ONNXなどの主要なフレームワークに対応しているほか、バイナリのコンパイルまでサポートしており、一貫したAIの開発環境を提供するとのことです。