錦です。
NVIDIAは、CUDA 10.2のリリースノート内で、CUDA 10.2がmacOSに向けられた最後のリリースであることを明らかにしました。
MacとGeForce
Macには、現在GPUとして、Intel内臓iGPUかAMDのdGPUしか採用されていません。結構前にはNVIDIA製のGPUが採用されていた過去があります。
しかし、AppleはmacOS MojaveでCUDAのサポートを終了しているほか、NVIDIA製のドライバにおいても不遇の処置をとったことから関係の悪化が指摘されていました。
これまではAppleから一方的にサポートを打ち切られていましたが、NVIDIAからmacOSをサポート外と宣言することは初めてなのかもしれません。
今後、CUDAを使った開発・アプリケーションの実行はMacでは行えなくなります。
MacとGPU
Macでは、dGPUを採用する製品として、iMac、MacBook Pro 16インチ、iMac Pro、Mac Proがありますが、すべてにおいてAMD製のGPUしか選択できません。そのうえ、2016年秋以降のMacBookを除くすべてのMacにおいてサポートされるeGPUもmacOS Mojaveの対NVIDIAの仕様により、AMD製GPUしか選べないという状態になっています。
AppleとNVIDIA
おそらく今後、AppleとNVIDIAの対立は深まっていくとは思います。しかし、大きな紛争も起きないと思われます。紛争すなわち裁判ですが、あったとしてNVIDIAがこの仕様について反トラスト法(独禁法)で訴えることがあっても「自社製品なんだから問題ないでしょ」という感じでNVIDIAが負けてしまいそうです。
ただ、リアルタイムレトレーシングといい、DLSSといい、NVIDIA GPUにはAMD GPUにまさる点が多くあります。私自身もGeForceの使い手ですのでその恩恵を多く受けることができます。特に、今回のCUDAのサポート終了は、CUDAのアクセラレーションが利用できなくなることを意味することから、ゲームのみならず、一部クリエイティブソフトウェアも影響を受けることになってしまいます。
裁判にならない以上、両者が顔を合わす機会が公に設けられにくくなり、今後もこの関係が続くものと見られます。
個人的には、Mac Proが登場したならNVIDIA GPUもサポートすればいいのに。。。と思うところですが(おのれMPX)
後記
NVIDIAとAppleの関係で気になる点がまだもう一つ。MacにGeForceが採用されていた名残として、NVIDIAのHPには「NVIDIA GPUを搭載したAppleのMac ProとMacBook Pro、Apple TV」というページが付いこないだまで残っていました。Archive.orgでそれを確認することができます。実際にまだGoogleで「GeForce Mac」と検索するとこのページがヒットします。
しかし、最近このページへアクセスすると、GeForceのトップページに自動転送されます。つまり、長らく放置されていたこのページも削除されたということです。ここから読み取れるのは、AppleもNVIDIAもともに闘う姿勢を見せているということですかね。