錦です。
Macには現在、Intel CPUが搭載されています。今回は、Macのモデルと搭載されているIntel CPUの見方を紹介します。
命名規則
まず、現在のIntel CPUのうち、Coreブランドの命名規則をご紹介します。
Coreは一部を除きi9-9900Kのように数字+アルファベットという命名が一般的です。まず、この末尾のアルファベットの解説です。
2015年以前だと、これ以外にRとかCとかMとか、2017年とかだとHQとかもありますがだいたい今はこんな感じです。
一番右は、シリーズといい「Comet Lake-S」のようにシリーズ名で扱うアルファベットで、実際にCPOUのモデル名として扱われるアルファベットは末尾の列のものです。
基本的に、末尾のアルファベットは、TDP(消費電力)を示します。例えば末尾Tであれば、TDPが35Wのような感じです。Appleでは、シリーズの種類と、Macの種類がそれぞれ割り当てられています。
Macでは、一つのシリーズに一種類のMacを投入しています。
基本的に以下のように搭載されています。
- MacBook Air Yシリーズ
- MacBook Pro 13" Uシリーズ
- MacBook Pro 16" Hシリーズ
- iMac Sシリーズ
- Mac mini Sシリーズ(特にB)
なお、Uシリーズについては、15Wモデルと25~28Wモデルが有り、MacBook Pro 13"ではThunderboltを2ポートしか搭載しない下位モデルにTDP 15WのCPUを、4ポート搭載する上位モデルにTDP 25W~28WのCPUをそれぞれ搭載しています。
で、数字の部分はi9-8950HKで説明すると8の部分で世代を、9の部分ではグレードを、50の部分はほぼ識別番号のような感じになっています。9の部分はすべてがそうとは限りませんが、i3は0~3、i5は2~6、i7は6~8、i9は8~9が割り当てられることが多いです。正直、HやSシリーズでこの部分が8以上の数字だと只者ではないな。。。という感じがします。
さて、先程「Coreは一部を除きi9-9900Kのように数字+アルファベットという命名が一般的」と言いましたが、Macに採用されるCPUの中でも前述のような命名規則には当てはまらないものがあります。それがIce Lakeと呼ばれているCPUシリーズです。
Ice Lakeの命名規則は上のものとは全く違うものになっています。
i7-1068G7 を例に上げて解説すると、10の部分で世代を(10なので第10世代)、6の部分でグレードを、8の部分でTDPを示しています。8という部分は、上のような命名規則だと、アルファベットの部分に当たります。G7という部分はiGPU(内蔵GPU)の性能を示しています。
第9世代以前のCPUのiGPUにはそれぞれ名前がありました。例えばMac miniのGPU「Intel UHD Graphics 630」や、MacBook Pro 13"下位モデルの「Intel Iris Plus Graphics 645」というのがその一つで、これはAppleの公式サイトの仕様ページから確認することができました。
UHD 630は、CPUによってクロックは違えど、IPCが同じだったり、アーキテクチャが同じだったり、端的にいえば同じコアが採用されている事がわかります。UHDには630以外にも610やP630などのモデルもあるのでUHDでもどのUHDか見極める事ができました。
この命名方法に対して、Ice LakeではiGPUの名前は単に「Intel UHD Graphics」や「Intel Iris Plus Graphics」と命名するにとどまっています。630や645という数字は有りません。しかし、Iris Plus Graphicsには複数のモデルがあります。では、どのように識別すれば良いのかというと、それがG7の部分になります。
Ice Lakeでは、モデルナンバーにiGPUのモデルの種類が含まれており、AppleのようにCPUの型番を明かさないPCベンダーだと、リークがあるか、発売後に確認しないとどのGPUが使われているかわかりません。
特に、MacBook Air 2020でこれが問題になりました。
MacBook Airに採用されるCPUは以下の3つです。
- i3-1005NG4
- i5-1035NG7
- i7-1065NG7
NというのはMac用ということを表しているみたいです。G以下の部分をみてみると、i5/i7に搭載されているiGPUはG7というものですが、i3にはG4が搭載されていることがわかります。しかし、Apple公式のMacBook Airの仕様ではまとめて「Intel Iris Plus Graphics」と書かれています。これは、Appleの仕様の書き方では、IntelのiGPUのグレードを示すことができないためこうなっているのですが、i3モデルとi5/i7モデルとではGPU性能に差があるのは確かです(i5/i7間も若干ありますが)。
さて話は戻って、Ice Lakeでの搭載されるMacの見方ですが、i7-1068G7では8の部分を見ればわかります。この部分はTDPを示していると言いました。そしてTDPによってアルファベットが分けられているというお話もしました。この部分の数字とTDPとの関係は、0の場合9W~10W、5の場合15W、8の場合28Wになります。MacBook Pro 13"は、下位モデルに15WのCPUが、上位のモデルに28WのCPUが使われることも踏まえて、これをアルファベットに置き換えると、
- 0:Yシリーズ・・・MacBook Air
- 5:Uシリーズ・・・MacBook Pro 13" 下位
- 8:Uシリーズ・・・MacBook Pro 13" 上位
となります。
Pro向けのモデル
Mac ProとiMac Proには、ワークステーション向けのXeonというプロセッサが搭載されています。Xeonには、サーバー・データセンター向けのXeon SPやXeon Dとワークステーション向けのXeon WやXeon Eなどの種類がありますが、Macに搭載されているのはXeon WというCPUです。
Xeon Wには3つのシリーズがあります。最大18コアのXeon W-2000シリーズ、最大28WのXeon W-3000シリーズ、コンシューマレベル最大10コアのXeon W-1000シリーズです。
Macでは、iMac ProがXeon W-2000シリーズを、Mac ProがXeon W-3000シリーズをそれぞれ採用しています。
正直、Xeon周りの話は毎年のように定義やシリーズが変わります。例えば、Xeon E-2200の後継がXeon W-1200だったという例もあります。なので、Mac Pro/iMac Proの場合は、Xeonの中でそれっぽいのをみとけば、いずれMacが登場します。
Mac ProやiMac Proに搭載されるようなCPUでは、iGPUを搭載する事はありませんので、これ以上の言及はやめておきます。
まとめ
前ならばこのシリーズはこのMacに搭載されますよというのがわかったりしましたが、色々ややこしくなっていました。長くなってしまいました。申し訳ないです。
ご閲覧頂きありがとうございました。