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Intel、「Tiger Lake-H」を正式発表! ~ 最大8コアの第11世代高性能モバイル向けCPU・35Wで8コア

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錦です。

Intelは、第11世代のハイエンドラップトップ向けCPUシリーズ「Tiger Lake-H」を発表しました。

Tiger Lake-H

Tiger Lake-Hは、CESで発表された「Tiger Lake-H35」同様に35WのTDPを保ちながら、CPUを8コアに増幅させたモデルです。Comet Lake-Hの実質的な後継で、このグレードにIntel 10nm SuperFinが初めて採用される例です。

CPUコアには「Willow Cove」が採用されました。最大5.0GHzで動作します。今回の最上位モデル「Core i9-11980HK」ではオーバークロックにも対応しており、Cove系統のCPUでは初めてOCに対応したことになります。

GPUTiger Lake-H35やUP3/4同様にXeアーキテクチャが採用されますが、Tiger Lake-H35/UP3/UP4と違ってディスクリートGPUが前提になっているので、Tiger Lake-H最大EU数は32コアあるいは16コアとかなり抑えめになっています。しかし、4K60fpsに対応するAV1ハードウェアデコードや、Intel DL Boostなどの機能は搭載されています。

また、グラフィックス関連ではResizable BARにネイティブ対応するためdGPUのvRAMに直接アクセスすることも可能です。

各SKUの仕様は以下の通り。

i9-11980HK i9-11950H i9-11900H i7-11850H i7-11800H i5-11500H i5-11400H i5-11260H
コア
スレッド
8C/16T 8C/16T 8C/16T 8C/16T 8C/16T 8C/16T 6C/12T 6C/12T
cTDP
Up
65W 45W 45W 45W 45W 45W 45W 45W
cTDP Up
クロック
3.3GHz 2.6GHz 2.5GHz 2.1GHz 2.3GHz 2.3GHz 2.7GHz 2.6GHz
cTDP
Down
45W 35W 35W 35W 35W 35W 35W 35W
cTDP Down
クロック
2.6GHz 2.1GHz 2.1GHz 2.1GHz 1.9GHz 1.9GHz 2.2GHz 2.1GHz
1Cブースト 5.0GHz 5.0GHz 4.9GHz 4.8GHz 4.6GHz 4.6GHz 4.5GHz 4.4GHz
TBMT 3.0 対応 対応 対応
iGPU Xe UHD Xe UHD Xe UHD Xe UHD Xe UHD Xe UHD Xe UHD Xe UHD
EU 32C 32C 32C 32C 32C 32C 16C 16C
iGPU
定格
350MHz 350MHz 350MHz 350MHz 350MHz 350MHz 350MHz 350MHz
iGPU
ブースト
1450MHz 1450MHz 1450MHz 1450MHz 1450MHz 1450MHz 1450MHz 1400MHz
キャッシュ 24MB 24MB 24MB 24MB 24MB 12MB 12MB 12MB

今回のシリーズはTiger Lake-UP3/UP4同様、cTDPが前提となっており、i9-11980HKは45W~65W、それ以外は35W~45WのcTDP多段階調整になっています。

クロックの幅は上の表に書いてあるとおり。i9-11980HKは2.6GHz(45W)~3.3GHz(65W)となっています。このクロックは搭載されるデバイスによって異なるのでご注意ください。

実際の性能

同社によると、前世代と比べてシングルスレッド性能が19%向上し世界最速だとしています。i9-11980HKとi91098HKでゲーミング性能を比べたとき、War Thunderで最大21%、Troy:A Total War Saga:siegeで最大14%など大きく性能が向上。その他のゲームでも十数%の性能向上があります。

また、今回のシリーズでは下位モデルに当たるi5-11400Hでも、Ryzenの上位モデル「Ryzen 9 5900HS」と同等あるいはそれ以上の性能を発揮すると強調しています。

クリエイティブな作業でも性能が大きく向上しており、第10世代Coreと比較するとAfter Effectsで20%、写真の処理では22%、Officeのワークフローでも14%性能が向上していると主張しています。i9-11980HKとRyzen 9 5900HXと比較した場合AEで18%、画像の処理で24%、Officeのワークフローで19%、Coreプロセッサのほうが上回っていると主張しています。

拡張性

拡張性としては、Thunderbolt 4やPCIe 4.0をネイティブでサポートしています。

PCIe 4.0はCPU自身が20レーン持っており、大抵の場合x16でGPU、x4でM.2 SSDという形でシステムが構成されることになるでしょう。

ワイヤレスでは、Wi-Fi 6/6Eをネイティブでサポート。同時に「Killer AX1675」ゲーミング無線モジュールが提供されるとのことです。

vPro

また、vPro対応モデルも追加されており、i9-11950H、i7-11850H、i5-11500HでvProに対応されるほか、ECCメモリに対応したXeon W-11000シリーズも追加されます。

W-11955M W-11855M
コア
スレッド
8C/16T 6C/12T
cTDP
Up
45W 45W
cTDP Up
クロック
2.6GHz 3.2GHz
cTDP
Down
35W 35W
cTDP Down
クロック
2.1GHz 2.6GHz
1Cブースト 5.0GHz 4.9GHz
TBMT 3.0 対応 対応
iGPU Xe UHD Xe UHD
EU 32C 32C
iGPU
定格
350MHz 350MHz
iGPU
ブースト
1450MHz 1450MHz
キャッシュ 24MB 24MB

vProモデルでは、メモリのトータル暗号化などのセキュリティ機能など、企業向けの機能が実装されています。

入手性

IntelはすでにTiger Lake-Hを100万個出荷したとし、入手しやすいとしています。

ニュースリリース

Source:PC Watch